【感想・ネタバレ】バットマン/ダークナイト:マスター・レイスのレビュー

あらすじ

巨匠フランク・ミラーが再構築し、現代へと継承された新たなるダークナイト神話
1986年、『ダークナイト・リターンズ』は、アメリカンコミックに後戻りができないほどの衝撃を与えた。
2001年、『ダークナイト・ストライクス・アゲイン』によって、バットマンは未来へと受け継がれるキャラクターになった。
そして、生きる伝説フランク・ミラーとブライアン・アザレロは、本作『バットマン/ダークナイト:マスターレイス』によって、バットマンを現代の神話として再構築した。現代アメコミの礎となる古典的大傑作が、ついに邦訳化!

●収録作品●
『DARK KNIGHT III: MASTER RACE』#1-9
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: THE ATOM』#1
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: WONDER WOMAN』#1
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: BATGIRL』#1
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: LARA』#1
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: WORLD’S FINEST』#1
『DARK KNIGHT UNIVERSE PRESENTS: STRANGE ADVENTURES』#1
(c) & TM DC.

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Posted by ブクログ

「バットマン・ダークナイト・ストライク・アゲイン」の時、レックス・ルーサーとの激闘の後でブルース・ウェインは、キャリー・ケリーにバットマンの仕事を譲って隠居状態にあった。だが宇宙怪人ブレニアックが、ボトルの中に収縮して収納したクリプトンの街の人々に異変が起きた。クリプトン人は、これ以上収縮した状態に耐えられなくなっていた。アトムは、クリプトン人をボトルから出して元の大きさに戻すが、科学力で劣る地球人をクリプトン人は支配しようとする。ブルース・ウェインは、南極のアジトで氷漬けになっていたスーパーマンを復活させ助けを頼む。スーパーマンとワンダーウーマンの娘ラーラが、クリプトン人に味方した。両者の戦いは、混迷の世界に波紋を呼ぶ。
「バットマン・ダークナイト・リターンズ」「バットマン・ダークナイト・ストライク・アゲイン」に続く「ダークナイト・ユニバース」第3作。
今回は、トランプ政権でレイシズムが過激化する世相を風刺し、クラークとラーラそしてブルース・ウェインとクラークの対立と和解そしてクリプトン人とスーパーヒーローの戦いを通して、文化や人種が異なるもの同士が理解し合うことの難しさと理解し合える可能性と希望を描いていて、フランク・ミラーがレイシズムに走る若者に届けたいメッセージが色濃くある傑作グラフィックノベル。

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2022年12月17日

Posted by ブクログ

122冊目『バットマン/ダークナイト:マスター・レイス』(フランク・ミラー/ブライアン・アザレロ 作、アンディ・キューバート/クラウス・ジャンソン 画、吉川悠 訳、2019年2月、小学館集英社プロダクション)
フランク・ミラーが手掛けるアメコミの金字塔『ダークナイト』 シリーズの第3作。約15年ぶりとなる新作である。
狂信者によるテロリズム、BLM、フェミニズムなど、社会情勢を深く反映させたストーリー。ボリューム感と情報量は相変わらず凄まじく、かなり読み応えがある。

〈世界を救いに行こうか〉

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

バットマンの中でも特異なシリーズである「バットマン:ダークナイト」の15年ぶりの最新第3作(第1作はアメコミ史に残る名作であるとともに、ノーラン版映画の元ネタのひとつとしても有名)。
シリーズが通して問うのは、結局のところ自警団的な存在でしかないアメコミヒーローが、現代においてどう存在意義を見出すことができるのか、という問題。だから、86年の第1作は冷戦下で、01年の第2作は911のような混沌状況で、年老いて引退したブルース・ウェインが時代錯誤・狂人と呼ばれながらも老体に鞭打ってバットマンとして立ち上がる。
今作も、現代の状況を反映してオバマやトランプを彷彿とさせるキャラクターが出てきたり、バットマンも三たび復活したりとシリーズを受け継いではいる。しかし、スーパーマン、ワンダーウーマン、そして2人の娘ラーラが物語の中心となり、敵もスーパーマンと同じクリプトン星人になってしまったことからバットマン活躍の機会もへってしまった。このめ前2作のようにヒーローの存在意義を現代の中に位置づける試みは後景に退いてしまった。その意味では、前2作には及ばなかったと思う。
第4作も構想されているようだけど、過去作のような到達点に行けるんだろうか、ちょっと心配ではある。

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2020年01月06日

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