【感想・ネタバレ】迷惑な終活のレビュー

あらすじ

「そうそう!」「わかるわかる!」と本と会話をしているようです。
終活の考え方は、十人十色。「それでいいんだ!」「それが私の人生!」と思わせてくれ、高齢者を元気にする作品です。
──泉ピン子

喋り屋稼業いつ店仕舞いを...なんて思いが過る頃、内館「老いの四部作」をたて続けに読んだ。私は別人となり、最期は「喋り死に」するまで生き切るぞ!と叫んだ。さあ新たな高齢者ライブ『迷惑な終活』の開演だ!お席に着いて下さい!
──古舘伊知郎

やり残したことにケリをつけるのが、本当の終活だ。

年金暮らしの原夫妻。妻の礼子はいわゆる終活に熱心だが、夫の英太は「生きているうちに死の準備はしない」という主義だ。そんな英太があるきっかけから終活をしようと思い立つ。それは家族や他人のためではなく、自分の人生にケリをつけること。彼は周囲にあきれられながらも高校時代の純愛の相手に会うため動き始める。やがて、この終活が思わぬ事態を引き起こし──。

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』『老害の人』に続く著者「高齢者小説」第5弾!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

Audibleにて。
この本では、75歳を迎えた主人公が、同年代で流行となっている「終活」に異を唱えるところからスタートしている。死を想定することは、言霊が宿って不吉、云々。それが、母の死を通して、考え方を変え、自分なりの解釈で終活を定義し、遂行する。それは、「他人のための終活ではなく、自分のための終活」。すなわち、死後に残される人たちの事務手続きを楽にするための活動ではなく、自分がやり残したことを精算する活動と位置付けた。個人的にこの考え方はとてもしっくりきた。
後書きで、70代はアマチュア老人、のようなことが語られていたが、40代の今までの自分の感覚では正直区別できていなかった。中高生のとき、大人がみんなおじさんかおじいさんだったようなものか。不惑と言われる年齢で三人目の子供を授かり、これまでの人生でもっとも惑っているし、子供たちが独立するまではまだまだ惑うと思っていたが、70代でもこんなに惑うのか。いやはや、これからの人生、まだまだ楽しみだ。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 内館さんの高齢者シリーズ、いつも引き込まれて面白い。私からすると少し先輩の話だけれど、遠い先の話でもなく、元気が出る。
 生き方に正解なんて無いけれど、昔より長くなった人生を物分かりよく仕舞うだけでなく、自分が「生きててよかった」と思えるように、心残りにカタをつけていく生き方に憧れる。
 息子夫婦に冷遇されるあかねの姿は読んでいて辛い。でも戦い続ける決意(?)は清々しい。礼子の横浜都会暮らし実現は「いいね」を押したい。
 さて、私は何から始めよう。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 後期高齢者に差し掛かろうかという75歳。主人公は終活の一環として好きな恐竜の1/3モデルの骨格レプリカをくみ上げる。そして、高校時代にマドンナにしてしまったのぞきとそのあとの噂話の流布について強い後悔が浮かび、本人を探し、謝りに行く。「それが終わらないと終活じゃない」。

 マドンナは主人公のことを何も覚えておらず会いたくもない。しかしマドンナも終活をするにあたって嫁姑問題を抱えており…

 主人公それぞれの終活の形が入り乱れる。主人公の40年前の不倫相手も高校の同級生だったことが暴かれ…

 結局、収まるところに収まるのだが、老人の生活や考え方がどのようなものかが全編にちりばめられる。

 これを読むのはやはり老人なのだろうな。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本当みんな迷惑な終活をしていた笑
でも、年齢ならではの大人な考え方が垣間見れる。傲慢ではない。
残された人のための終活、自分のための終活。
妻のれいこが不倫を知りながら本人には伝えることなく、心の中で毒づき、自分に自信を持って今を生きている姿は憧れると思った。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

共感できるところもあり、自分とは違うなと思うところもありという感じでした。

自分はこの本を読む前から、終活とは自分のやりたいことをやるもんだと思っていたので新たな発見は特になかった。
子どもは親が好きなことをして楽しそうにしている姿を見るのが嬉しい、子供にとっての親孝行であるとあったが、これは恐らく親との関係が良い人ほどそうなのだと思う。
自分は親との関係があまり良くなく、親の借金を自分が今払っている立場なので、実際に親が今自由にお金を使って楽しそうに生きているのを見ているが、自分に使う楽しいお金があるなら借金をまずは自分で返してくれと常々正直思っている。
自分のための終活は、若い頃にしっかりとその役目をその都度全うした人がやれることなのだと思う。
そうでない人が楽しそうにしていても、正直やるべきことをやってから楽しめよと思ってしまう。心が狭いと思われるだろうが。

自分は今30代だが、自分の老後好きなことをして過ごすために、今自分は懸命にできることをしなければと思う。自分の両親のように老後まで子どもに疎まれるような親ではいたくない。

人それぞれいろんな終活があって良いと思うが、自分の孫の世代までを含めた家族からも、周りの友人たちからも楽しそうでいいね!と心から言われるような、そんな終活をしたいなと思いました。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

その世代になれば、ありえる感覚を知れた気がする。
私の感覚としては、さほど非現実的ではありませんでした。

離れを作って暮らすようなことは、実際聞いたことがあるんですが、食事もたしかに、、、でも、それでも同居してくれる嫁は優しいほうに思える…。一人で暮らすのは楽しそうだけど歳をとると寂しさや不安が勝るのかもしれない。でも、自分を邪魔に思う人と暮らすのも。他人と暮らすのは難しいなあ。

自分はどうなるのかな…我が子たちはどうなるのかな…なんて思いながら読んでました。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何だかんだで「終わった人」からの5作品読破してしまった
今回は流行りの終活を自分軸で…自分の人生に自分でケリをつける70代の物語
でも結局、誰よりも作者の内館さんが一番パワフルでキラキラしてることに圧倒された一冊でした

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2025年07月29日

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