あらすじ
「作家活動を続けるために教師でもやるか」。親のすねかじりで学生を続ける生活に限界を感じ、何度かの教員採用試験受験の末、中学の国語教員になった若き「ちばさと」。教師なんて楽勝! ヒット作を当てたら学校なんておさらばだ! 典型的な「でもしか先生」だったのに、壁にぶつかり、生徒にダメ出しされ、励まされるうちに、いつしか教員という仕事に夢中に! 教員歌人として活躍する作者による自伝的青春エッセイ。
2010年に亜紀書房から刊行された書籍に、著者による新たな書き下ろしあとがき、新作短歌を加えた新装版。
解説=枡野浩一
ちばさと先生と生徒
交流にぐっとくる。
でも、ちばさとにはなりたくない。
大変すぎる。
私は、ちばさとの生徒に
なりたいと思った。
幸せすぎる。
俵万智(歌人・元高校教諭)
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Posted by ブクログ
歌人の千葉聡さんの自伝とその時の短歌集です。
千葉聡(ちばさと)さんは新聞販売店を経営する家に生まれます。
将来の希望は国語の先生になり作家になることでした。
29歳の時第四十一回短歌研究新人賞を受賞されます。
31歳で中学の国語の先生になります。
最初のころは生徒に「ちばさとキモい」と言われたりされますが、だんだんに生徒たちが変わっていき「ちばさとの授業になると教室が飛び跳ねるんだよ」と言われるようになります。
<さよならを素直に言えない子が俺の肩を殴って走って消えた>
<わからないことを放っておく勇気なくて駆け込む有隣堂へ>
<「詩を作れ、書け」ではなくて「詩になれ」と教えた俺の恥ずかしいこと>
<トイレにはトイレの匂い その中にさっき泣いてた誰かの匂い>
<空を見るなら放課後がいちばんだ「あこがれ」の「あ」の口をしてみる>
<夢なんて、あるよ ピアノの鍵盤のフェルトのカバーを投げ上げながら>
Posted by ブクログ
千葉聡こと“ちばさと”は、今横浜サイエンスフロンティア高校で教えている。相変わらず、生徒たちと熱血しているらしい。そのちばさとが、千葉聡から“ちばさと”に生まれ変わった上菅田中学校での体験をつづった「飛び跳ねる教室」に、今の高校での日々のエッセイと短歌を合わせたのが「飛び跳ねる教室・リターンズ」である。中身も熱いが、俵万智の帯も枡野浩一のあとがきも熱い。誰より、ちばさとにインタビューしたことをきっかけに、この本の編集を決断した時事通信社出版局の大久保昌彦さん、あなたが一番熱い。
夢なんて、あるよ ピアノの鍵盤のフェルトのカバーを投げ上げながら