【感想・ネタバレ】マザーのレビュー

あらすじ

5つの短編に待ち受ける、予想外の驚愕の結末!
あなたはもう、以前の家族には戻れない。衝撃の令和の家族像。

「母という禍、家庭という地獄。
ひょっとして獄吏は自分自身なのかもしれない」
ーー中島京子(小説家)

<崩壊する家族を描く、衝撃の連作短編集!>
セメタリー
ワンピース
ビースト
エスケープ
アフェア

<書評家も絶賛>
「よくぞこの全人類にとって厄介で気になりすぎる母という存在を描き切ってくれた。不謹慎なほどの面白さ!」ーーマライ・メントライン
「作者がエールを送っているのは、母という名の女性たちなのだ。母親という呪縛に囚われている、すべての女性たちなのだ」--吉田伸子

母と娘の関係性はたくさん書かれているが、これは、母とかつて母だったものとの物語だ。

アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る「セメタリー」、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く「ワンピース」、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た「アフェア」など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

乃南さん、久しぶりな気がするなぁ。

母が出てくる話5つの短編。
◆セメタリー
ちびまる子ちゃんのお母さんをイメージしながら読みました。
なんとなく想像のつく展開で、その通りの結末だったけれど、読後はすっきり。お母さんガンバレ。

◆ワンピース
離れて暮らす引きこもりの兄から再婚の連絡。
怖い怖い、気持ち悪い、兄も再婚相手も人の心があるとは思えない気持ち悪さ。
とっとと逃げ出して、2度と関わりあいたくない。

◆ビースト
出戻ってきたシングルマザーと二人の孫に振り回される、母親。イライラしながら読みました。そしてあんな最後とは・・・

◆エスケープ
胎児、子ども目線の話。あんまり好きじゃない。

◆アフェア
子供が巣立ったあと一人でマンションに暮らす佐野さん。どんどん素敵になっていき・・・

セメタリーやアフェアの母親。
最後は解放されて自由に自分の人生を取り戻していく感じ。
いやもっと早く、我慢せずに主張すればいいのに・・・とワタシは思ってしまうけれど、その年代や土地の風習とかでいろいろ難しいんだろうな。
これからの世の中、世代が変わり、価値観が変わり、いろんな母親が自由に楽しく生きられる世の中になるといいなって、思う。

0
2025年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母と言う呪縛という言葉がピタリとはまる。
5つの短編はどれも面白い。
母親とは全てを受け入れ家族や子供たちに尽くすことが当然とされ、自己の犠牲により差し出したものに感謝の一つも与えられない。母というだけでジワジワと首が締められているような息苦しさを感じる。
ラストの短編の佐野さんがやっと一人になり、人生を楽しむことができて良かった。佐野さんの最期の顔は微笑んでいたようにおもえた。

0
2025年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『セメタリー』
どういう意味なのかな?と思って調べたら
お墓とか墓場という意味があるらしいのだけれど
この作品については後者が当てはまるのだろう。
結婚は人生の墓場、なんて昔の人はよく言ったもんだ…

『ワンピース』
…うぇぇ?そこで終わり?
というくらい唐突に終わる。
冴子の気持ちはわからなくはないけれど、
『そっとしておいた方がいい』という建前で
(そういう意図はなくとも)放置してた以上、
寂しさに漬け込んでくる人間がいたとしても、
どうしようもないんだよなぁ…

『ビースト』
あつかましいな、とは思う。
ただ…こういうの実は多いんじゃなかろうか。
離婚してなくても、保育園の送り迎えとか
食事のこととか、金銭面とか。
自分だけは違う、なんてことはないんだよな。
気を付けないと。

『エスケープ』
所謂胎児記憶の話?
ママさんの自業自得な面もあるとはいえ、
娘さん結構怖い。

『アフェア』
主人公の管理人さんにまつわる何かの話と思いきや、
彼は完全なる傍観者で真の主人公は佐野さんだった。
子どもも巣立っちゃって、しかも遠方で
自分一人でこれからどうやって生きていこうって思ったとき、
こういう終わり方を選ぶ人のことを本当に責められるだろうか。
ビーストの話みたいに寄りかかられるのも嫌かもだけど、
それよりないよりいないものみたいになる方が寂しいかもなぁ…
鳥の巣症候群にならないように、
今のうちになんか趣味見つけておいた方がいいのかな。
あ、それが読書なのか。

0
2025年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書はエンタメ派の私にとっては、何でこの本読もうと思ったんだっけ⁈と思いながらも、何故か最後までページをめくる手が止められなかった
決して後味の良い訳ではない、いやむしろ何かもやもや不穏な空気が拭えない短編集だったのに
流れ込むように読み進められる文体とリアリティ溢れる怖いもの見たさみたいなものがあって、他の作品も読んでみたい作家さんではある
とは言え、う〜ん…次は楽しい本が読みたい

0
2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初作家さん 
「マザー」という題名に 芦田愛菜ちゃんが小さくて、泣いているイメージが浮かんだのだが・・・・

母親だけど老親の娘として葛藤したり、
子を宿して妻の座を勝ち取ったのに子にうけいられなかったり、
我が家はいい家庭と子供は信じてたけど それは母の我慢のもとに作られていたり。
「母親として」とひとくくりにされてはたまったもんじゃない ブラックな立場
様々な母の有り様と事情が重すぎて ちょっと咀嚼できない話もあるけど
短編集なので乗り切れる。
元気な時に読んだ方がイイかも。

直木賞作家さんなので、次は受賞作の「凍える牙」読もうかな。

0
2025年02月24日

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