あらすじ
ミステリ界の気鋭による至高の警察捜査小説!
静岡県北の廃村で、誘拐されたまま行方不明になっていた少女の白骨遺体が見つかった。10年前、静岡県警は誘拐犯に身代金1千万円を奪われ、少女は戻らず、事件は迷宮入りとなっていた。静岡県警静岡中央署の日下悟警部補が捜査に着手すると、当時は判明し得なかったいくつかの事実が明らかになる。腎臓に持病を抱えていた被害者の事情、誘拐事件関係者のその後、遺体が見つかった廃村の「子供の泣き声がする」という噂話。静岡県警は実直な捜査で核心に迫るが、新たな事件が起きて――
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Posted by ブクログ
事件発生から10年、被害者少女が白骨死体で見つかった
迷宮入りしていた誘拐事件の衝撃の真実が、静岡県警の必至の再捜査により、あぶり出される
臓器移植の仕組みも絡めて真実が探られていく
犯人は、名門私立を経営する....
静岡市や静岡中部が舞台ということもあって、情景がまさに浮かんだのは役得
シナリオといい筆力といい、素直に面白かったというのが感想
もっと評価されて良い作者では?
他の作品も読んでみるつもり
Posted by ブクログ
誘拐がどういう事件なのか、誘拐の真相とは?と興味深く読み進めたが、最後、真相がわかった時、後味が悪かった。
自分の手は汚さず、金で12歳の病気を抱えた子どもを誘拐させ、自分に優位になるように、自分の欲のため、ことを進める。
でも玉村のような人間に犯罪を頼んだところで、弱みを握られ、その後も金をゆすられるに決まっているのに…。
病気を抱え、それでも生きるために移植を待ち望み、それなのに誘拐され、安否がわからない状態のときに、その待ち望んでいた移植の連絡が入る。だがそのとき、その子はおらず、生死もわからず、何年も時間だけが過ぎていく…。
親の気持ちを思うと、なんともやりきれない後味の悪さが残った。