【感想・ネタバレ】ヨーロッパ近世史のレビュー

あらすじ

ヨーロッパ史において「近世」とはいかなる時代か。宗教改革からフランス革命にかけてのこの時期は、ときに「近代」の準備段階とみなされ、ときに「長い中世」の一部とされてきた。だが近年、複合国家論などが提唱されるなかで、中世とも近代とも異なる独自の時代として近世を位置づける動きが広がっている。では、その独自性とは何か。近世を多様な地域が複雑に絡み合う歴史的空間と捉え、人やモノのグローバルな移動に注目することで、これまで教科書などでは十分に語られてこなかったその複雑なうねりをダイナミックに描き出す。

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Posted by ブクログ

近世ヨーロッパ史を複合国家(礫岩国家)により紡がれた歴史として読み直す本。近世史は一部を除いてほとんど詳しくない人間でもかなり読みやすく書かれており参考になった。
本書はあらかじめ記載されている通り西洋国家(英・仏・蘭・神聖ローマ(墺・普))をメインとして書かれているため、東欧・ロシアの記載は薄い。
ただ近世時代に覇権を誇った国家を理解するという点では十分だと感じた。
礫岩国家・複合国家という概念は以前から聞き及んではいたが、どういったシステムなのかということを理解することができた。
イギリス史ではイングランドばかりでスコットランド・アイルランドへの視点が抜け落ちてしまっていた従来の枠組みとは異なる考え方でそれぞれの国家歴史の理解・また国家間同士の繋がりの再検討を促す本である。

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2025年05月02日

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