あらすじ
本州と九州を隔てる関門海峡。その本州側――山口県下関に住む高校生のサヤには秘密があった。それはネット上で活動する人気歌手「Yoru」としての顔。おとうさんは応援してくれるけど、おかあさんは危ないからっていつも反対してくる。「Yoru」の話題になると、おかあさんとどこかぎこちなくなる日々。
そんなある日、「Yoru」宛にテレビ出演のオファーが来る。サヤはおとうさんと東京へ向かうのだが……
これは、前作『夜が明けたら朝が来る』に繋がるアナザーストーリー。
「ママへ。今まで本当にありがとう」
そして、もう一つの家族が家族になるまでの物語。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
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Posted by ブクログ
前作『夜が明けたら朝が来る』のスピンオフ作品で、海の向こう側のもう1つの温かな家族の物語。
前作では既にYoruはいなくなってしまった後でどんな子だったのかはぼんやりとしていましたが、彼女が何を思いどう感じながら音楽配信活動をしていたのか、彼女はどんな家庭で育って来たのか、その全てがこの1冊に詰まっていました。
raemz先生のキャラデザやアサを通して感じるYoruはしっとりとおしとやかで大人しい感じの子なのかな?と思っていましたが、年頃の少女らしく明るく活発で結構気が強いんだなぁとほっこりしました(❁´ω`❁)
配信活動を通して好きな音楽をもっと多くの人に知って欲しい、たくさんの人の心に残りたいと願うYoruの活動を方法は違えどちゃんと応援して沙夜自身を大切に思ってくれている温かな家族の存在が胸にじんわりと沁みました。
親と子と、近いようで言葉が足りなくてぶつかり合うこともたくさんあるけれど、ちゃんと分かり合えてすれ違いのまま終わらなくて、あんなにも愛のこもった透き通るような素敵な曲が出来上がるその様子を読むことが出来て良かったなと思います。Yoruから母へのたくさんの「ありがとう」と母から沙夜へ注がれたたっぷりの愛情に涙が溢れて止まりませんでした(´;ω;`)
取り替え子なんて関係ない、確かな絆がちゃんとそこにはありました。
母の分かりにくい愛情と心配から来る態度をとりもって上手く立ち回る優しいお父さんもとっても素敵で何度もうるうるしちゃいました。
あと、色んな種類のプリンが美味しそうで、私もプリン大好きなので食べたくなりました笑