あらすじ
87分署の面々が少年の取り違え誘拐事件を追う。ハリウッド・リメイク決定の映画「天国と地獄」の原作にもなった傑作が新訳で登場
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Posted by ブクログ
堂場先生が翻訳されたという事で
初めて海外の作品を読んだ。
書かれた時代が古いのもあってか
読み慣れない文章で夢中になる感覚がなかった。
シリーズ作品・映画化と知らないことばかりで、後追いにはなるが追ってみようと思った。
他人の子に自分の地位を、資産をかけれるかという、難しい誘拐事件。
その地位を掴むために努力をしたと何度も表現されており、彼の葛藤をすごく感じた。
新たな作品と出会えた
Posted by ブクログ
2024年の25冊は、エド・マクベインの「キングの身代金[新訳版]」です。87分署は、読んで見たかったシリーズの1つです。しかも、堂場瞬一氏の翻訳とくれば、読まない理由には行きません。
シリーズ屈指の変わり種という事で、本作の主役は、87分署の刑事達でなく、2組の夫婦です。1組目は、タイトルにもなっているダグとダイアンのキング夫婦。ダグは、製靴会社の重役で高級住宅街の豪邸に住んでいます。もう1組は、相棒と誘拐事件を起こすエディとキャシーのフォーサム夫妻です。エディは、強盗を繰り返して生活しているチンピラです。金持ちの子供を誘拐して身代金をせしめて、メキシコで心機一転の生活をしようとしています。しかし、彼らが誘拐したのはキング夫婦の息子ボビーでなく、キング家の運転手の息子ジェフでした。彼らは、誘拐の取り違いに気が付きますが、構わずにキング夫婦に身代金を要求するというのが、本作の面白い所です。自分のでない子供に多額の身代金を払えるのかという事ですが、ダグは社内において権力闘争中でも有り、株の買占めの為に多額の金を必要としていました。身代金を払ってしまえば、逆に、会社から自分が追い出され破滅してしまいます。ダグのジレンマとその決断が、最大の読みどころと言えるでしょう。2組の夫婦を通して格差社会の問題を炙り出してもいます。脇役に回った刑事達の会話も申し分ないです。堂場瞬一氏の訳もいかにも作家らしい翻訳だと思います。
☆4.6シリーズの他の新訳を期待します。