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Posted by ブクログ
警察小説の原点とも言うべき〈87分署シリーズ〉
その中でちょっと異彩を放つ『キングの身代金』は、先日一気見したwowow連続ドラマに出てきて、ちょっと興味を持って読んでみた。
しかも新訳は堂場瞬一
たまたま間違えて誘拐したものを強引に身代金要求すると言う設定は、なかなかのもの(もともと誘拐は成功しにくい犯罪)
これで誘拐が成り立つとすれば、それから誘拐犯は誰でもいいから子供を誘拐して、適当な金持ちか企業に「身代金を払え」って言えばいい。
あ!イスラエルでハマスが行った大量誘拐は「金払え」では無いがこの方式だ。
タカ派のイスラエルのネタニヤフ首相は「テロに屈しない」と言って戦争を始めた。
一方でこの本のキングは「なぜ私に払う義務があると言うのか」と怒りながら苦悩する。
その結末は……
エド・マクベインの警察小説には、北欧ミステリーにあるような特徴のある一匹狼の刑事はいない。どちらかと言えば「普通の警察署のお仕事」物語(湾岸署を思い出してしまった)
そこにマクベイン独特のスマートで軽快なリズムが加わり、いつのまにか取り込まれてしまう。
いつまでも古さを感じさせない。
Posted by ブクログ
▼黒澤明の「天国と地獄」の原作本としてあまりにも有名な一冊。「87分署シリーズ」の中では異色作らしいですね。
▼努力してたたき上げてきた苦労人。いまや会社の経営者=大富豪がいます。大富豪なんだけど実は会社の実権をめぐって食うか食われるかのせめぎあいの真っ最中。
一方で。それなりに努力はしてきたが恵まれず貧しいままの犯罪者がいて、人生の一発逆転を目指しています。そしてこの大富豪の息子を、身代金目当てで誘拐します。ただ、ミスってしまいます。間違えて「大富豪の運転手の息子」を誘拐してしまった。がーん・・・。
▼だけど・・・「それでも……それでも!……大富豪さん、身代金を払え。運転手の子供だからって、お前、見殺しにするのか??」と要求。
葛藤する大富豪。払ったら、会社の権力闘争で敗北してしまう。おちぶれてしまう・・・。
もうこの設定だけで、すばらしい。
▼読んだ結果で言うと、なんと作者のマクベインさんもほぼ認めた発言を残しているとおり、「クロサワの映画のほうが面白い。原作とは似て非なるものだけど」。
▼事件の終息の仕方は、原作の方がいまひとつ。ただこれはこれで面白いのですが。映画が素晴らしすぎた。
▼へえええええ と思ったのは、「もともと戯曲として作った話なんです」というマクベインさんのコトバ。映画も、前半はもう、一幕ものの極上の演劇のようなスキの無い恐ろしい緊迫感。(映画も、その素晴らしさのほとんどは前半なのです)
Posted by ブクログ
アメリカの大都市アイソラで、大会社重役ダグラス・キングの運転手の息子が誘拐された。犯人はキングの子と間違えたのだ。身代金を払えばキングは破産。しかし人道的には……一方、アイソラ市警87分署のキャレラ刑事らは犯人との交渉のためキング邸に赴くが、主人が非協力的で捜査は難航。まもなく身代金の受け渡し時刻が迫る――。警察小説の金字塔にして映画「天国と地獄」の原作が堂場瞬一の新訳で蘇る。
新訳が出たので、40年ぶりに再読。大学生の頃、87分署シリーズはかなり読んだ。表紙がイラスト、テレビシリーズ「裸の街」の写真とまちまちで、「クレアが死んでいる」は市川崑監督の「幸福」の写真だった。「天国と地獄」は読後にBSで観たような記憶がある。この小説の肝だけを生かして、あんな傑作を作り出すとは、黒澤組はすごい。ちなみに先日観た、「スオミの話をしよう」の冒頭は「天国と地獄」をかなり意識していると思う。
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小説・文芸
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