【感想・ネタバレ】日本扇の謎のレビュー

あらすじ

舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読者の興味が、記憶喪失の男の正体、女性の恋愛の行方、有栖川の新作の構想、事件の調査と一気に増える関係者、と変わっていき、ちょっと読みづらいところがあった。プロローグが魅力的すぎたからだ。中盤からは一気に読めた。
犯人の動機が見当たらないことが事件の謎である。被害者が殺される理由が分からない。必然的に、記憶喪失の男、記憶のない過去の出来事、が怪しいのだが、行方不明になっている。
この男、事件には部外者なのか、中心人物なのか、よく分からず、事件の全貌がつかめない。家族に馴染めず、行方不明になっていても、またふらっとどこかに行ってしまったのだろう、と思わせてしまうのが本作の特徴である。そこから関係者からの連絡遅れ、警察の捜査ミス、推理の方向が定まらない、というところにつながっていく。
犯人がやろうとしたこと、行動を推理していくことには、推理小説として十分に納得のいくものだった。事件の関係者、火村にも、悲しみが残り、余韻のある終わり方となった。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ない。

なんて切ない物語なんだろう。
不幸とすれ違い。
断罪と許し。

受け入れがたい事を、受け入れるしかない。生きていれば、そういう事は何度も出てくる。努力ではどうにも越えられない壁の向こう側に、なんの努力もなく立っている人を見続けなければならない理不尽。

息子を許せなかった雛子も、ぎくしゃくしている母と弟の間を取り持ってあげれなかった兄と妹も、甥たちの将来を思って手助けするつもりだった夫婦も、どれもこれも殺意に繋がるものではなくて、でも簡単に解決するものでもなく、双方ともに納得のできる落としどころがあるわけでもない。

蟹江が一線を越えてしまった気持ちは、分からないではない。でも、その恨みはは颯一には関係のないことだ。蟹江の生い立ちが不幸なのも、仕事が上手くいかないのも、新たな職につけないのも、颯一のせいではない。
ただ、こんなに苦しい人生に光が見えた途端に、何の苦労もなく壁の向こう側にいる颯一に羨望と憎しみがわく気持ちは分かる。
だからといって殺してしまう蟹江の行動に、理解も共感もないけれど、わかってしまうことが悲しいし、受け入れるのに時間がかかる事件だなと思った。

火村が家庭に対して一線を引きたいという思いがあって、『家庭』というものに近づかないために、女性にも近づかないのだと、有栖は推察する。
家族という閉鎖空間で拗れた感情は、簡単にはほどけることはない。

なんともやりきれない、切ない物語だった。颯一さん、そして巻き添えになった女性が可哀想だ。ただただその気持ちが残った物語だった。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国名シリーズは読んだり忘れたりしてます。久々の作家アリスシリーズ、とても面白かった!
一言で言うと「きれい」。
表紙裏をめくった時、「開けば美しく、きれいに畳める。まるで扇のように」という前書きにまんまと引っ張られたのかもしれないけれど、先が気になり読みやすく、言いようのない感傷、寂しさもある。
子にされたかった犯人と養子の話が進んでいたのに家を出た青年、青年が逃げた先の東京で出会った亡き妹と似た名前の同い年の父娘、という対比もいくつもあって、対照的な扇のよう。
冒頭の中学教師と記憶喪失の青年のロマンスも短いながら切なかったのだけど、最後の最後にそれすら事件の概要を聞いたアリスの創作…というか感傷、だと明かされるところで一つの物語が畳まれたなと感じた。読後感が良い。
物語は至っていつも通りの推理もので、事件が起こり、関係者に一人一人話を聞いて輪郭を掴んでいく。ほぼそれ。でも今作は姿を消した(後に被害者として見つかる)記憶喪失の青年という存在があるので、いつもより先が気になった。
途中で二人目の被害者が見つかったことで事件の姿が変わり、見つかったことで全国ニュースになり空白を埋めるための証言が出てくる。読んでると全然分かんなかったけど、火村先生が整理していくとなるほどと思ってしまう。
「殺意の根元がどこにあったのか。空白の中でないのなら外だ」「どちらが計画されたものなのか(紐とナイフ、凶器のどちらが予め準備されたものか)」「計画を実行できた時間があるのは誰か」「なぜこんな人が集まる日に犯行に及んだのか。何がしたかったからこの日にしたのか。住人が不在になる日を狙ったなら、その中で自由に予定がキャンセルできる人は?」
そこから一人ずつ消していって、残った人が犯人。鮮やか。最終的に犯人が警察のマークに耐えきれずに後日自首したという静かな結末も雰囲気に合ってる。

今回、出だしで日本扇の謎というタイトルを片桐さんから出されて、うーーーんうーーーんこんなのはどうだ?いやだから何になるんだ…とたくさん悩む下りがとっても面白かったな〜と思ったら、後書きで先生自身の体験だと出てきて笑ってしまった。良い後書きです。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

待ちに待った国名シリーズの最新刊。
やっぱり火村&有栖川のやり取りが好き。いつまでも読んでいたい。

ストーリーは日本らしい儚さや美しさを感じるもので、正直好みとは少しずれていたけれど、それでも二人の世界観は相変わらずで良かった。

颯一の遺体が発見されてからは、グッとストーリーが進んで夢中になって読んでしまった。
動機はねぇ、いまいちしっくりこない気もするけれど、犯人の境遇を考えるとこういう思考になるのかもね。

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2025年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

CP厨がキャラ読みしてるとしんどい…!
死んでてほしくなかった!メロドラマを期待してたよ!!

火村先生の推理については、論理的で毎回「なるほど!」と膝を打つ思い。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から記憶喪失の男性が登場し、京都の旧家の謎を探るような展開に、横溝作品のようなミステリーか?とワクワクしたけれど、長い割にその真相が割とあっさりしたもので、肩すかし感がありました。途中まで面白く期待が大きすぎただけに少し残念。

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2025年04月19日

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