あらすじ
地球が温暖化しているのは事実だが、果たしてそれは「人間の活動」が原因なのか。そもそも温暖化は「悪いこと」なのか。悪いことだとして、それを止めるための手段は本当に脱炭素化が最適解なのか。科学的データは、そうした問いにいずれも「イエス」の答えを返さない。いま必要なのは、温暖化問題をイデオロギーから解放し、「適応策」を積み重ねていくことである。硬直的な脱炭素化推進に一石を投じる論争の書。
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Posted by ブクログ
温暖化を疑うのではなく、温暖化対策の費用対効果を考えるべき。問題のほとんどは途上国に発生する。その対策煮資金を出した方がいいのではないか。
都市の暑さの原因は温暖化ではなく、ヒートアイランド現象。温暖化の被害は都市に集中している。
地球の気温は、遙か以前から20度以上も変動している。
大気中のCO2濃度は0.04%、水蒸気は2%、温室効果は水蒸気が48%、CO2は24%。
メタンガスの温室効果はCO2の28倍。
北海道の米は美味しくなった。3度上昇までは日本の農産物の収量は増える。
温暖化で先進国の超過死亡率は減る可能性が高い。
熱帯では気候難民が増える。その結果都市に移住する=都市のインフラを整備すればいい。
カーボンZEROでは儲からない=投資収益は上がらない。技術を売る企業は儲かるだけ。
水素のコストが化石燃料を下回る見込みはない。太陽光の電気で電気分解するから、電気より安くならない。
ESG投資はモラルハザード=ファンドマネージャーは他人の金で名誉を買う。企業イメージがあがるだけ。
個別には儲かる企業と衰退する企業は出る。脱炭素化と経済成長はトレードオフ。
現実的な適応は、洪水は干ばつの多い地域の気候難民が都市に移動したときに、それを受け入れる手段を講じること。
炭素会計の粉飾決算=産油国からアンモニアを買って発電する。排出枠を買うのと同じ。アンモニアの発電効率はLNGの半分くらい。
脱成長では解決しない=共同体NAMの失敗=資本主義の生産力には対抗できなかった。
ドイツの緑の党は、ソ連のトロイの木馬だった。
省エネの流行=コスト削減になるので、省エネ技術は海外に売れた。
脱炭素化は公害問題と同じ。公共しか買わない。
洪水は堤防で大部分が防げるとIPCCも認めている。
気候変動による災害は熱帯に集中している。
温帯では海面上昇は毎年1センチ程度、防災対策。
温暖化より、水問題、医療問題、食糧問題が先=豊かさが必要。
グレタは、先進国の金持ちの自己満足。
ガソリンエンジンの熱効率は40%、モーターは90%。発電を大規模な工場で行い、発電と駆動を分離するEVのほうが合理的。しかしすぐには普及しない。電池の材料が希少金属なので、高い。製造段階でエネルギーを消費する。
ライフサイクル全体では、10万キロまではHVがCO2排出量は少ない。
EUの2035年内燃機関禁止はヨーロッパの製造業を守ろうとする動きだった。
合成燃料ならいいことになった=CO2と水素を合成する液体燃料。炭素中立だがコストは高い。今のところ実用にはならない。
本質的な問題は、所有から利用への変化。ライドシェアが普及すれば、自動車産業から雇用が喪失する。
EVのネットワーク外部性が働くティッピングポイントは遙かに遠い。
土地が少ない日本で再エネは主役にはなれない。風力は送電網にお金がかかる。
技術の初期はラーニングカーブで運用費用がさがるが、一定規模以上になると本質的ではないコストがかかるようになる=ネガティブラーニング。
公害防止費用、水力の立地コスト、原子力の安全性など。
太陽光や風力は規模が小さいときは、送電網にただ乗りしてFITで安定的に買い上げて貰ったが、規模が大きくなるとそうはいかない。
どんな技術でも100%にはできないもの。
電力を100%再エネ化しても、鉄鋼やセメントはそうはいかない。高炉はグリーン水素で代替、電炉は再エネ電力で。その場合コストは倍以上になるが、出来上がるものは同じ。
バイオマスは再植林が行われなければ再エネとはいえない。輸入のペレットは化石燃料と同じ。
イギリスの電力自由化では電気料金は下がらなかった。通信の自由化とは違う。電気には、同時同量の制約がある。安定供給するコストが上がる。
送電業者は供給責任を負わないので単なる転売屋だった。
通信は成功だったが、電力は失敗。通信が成功したのは半導体の進化による。
電力の自由化で電気料金が上がった。
石炭火力を減らすには原子力しか無い。ウランの最大産出国はカザフスタン、埋蔵量はオーストラリア。
再処理をやめると、核燃料はゴミとなる=資産価値を減損処理する必要が出る。
原子力産業に未来はない=技術者がいなくなる。大学の原子力工学科がなくなる。
排出権取引は仕組みが複雑。
炭素税は企業の反対が多い。国際競争で不利になる。
最適な気温上昇は2.6度。限界削減費用=炭素価格になるような削減量が最適。ゼロではない。
北半球では凍死が減り収量が増える。
途上国のインフラ整備を先進国が負担する方がいい。
気候変動問題はEUの意識が高い金持ちのお遊び。ウクライナ戦争でそんなことは言っていられなくなった。