【感想・ネタバレ】マイケル・Kのレビュー

あらすじ

内戦下の南アフリカ.手押し車に病気の母親を乗せて,騒乱のケープタウンから内陸の農場をめざすマイケル.内戦の火の粉が飛びかう荒野をひたすら歩きつづける彼は,大地との交感に日々を過ごし,キャンプに収容されても逃走する.……国家の運命に巻き込まれながら,精神の自由を求めて放浪する一個の人間のすがたを描く,ノーベル賞作家の代表作.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書が書かれた80年代の南アといえば、アパルトヘイト政策に対する非難による国際的な孤立と内戦という、国民にとっては大変厳しい時代だったのだろうと想像する。本書にも随所に戦争が色濃く表現されているけれども、主人公が直接戦争に関わっているという訳ではない。主人公は兵士でなく通常の市民だが、そこに描かれているのは主人公の闘いであり、主人公が求めているのはごく普通の自由なのだ。しかしどうしても自由を得ることができない主人公は衰弱していく。それでも、死ぬ自由さえ得ることができないのだ。このような主人公の姿が気高く、美しく感じられるのは何故なのだろうか。

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2015年12月06日

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