あらすじ
数学者として将来活躍する少年少女を見抜くことはできるか.答えが一つの数学の試験採点は容易か.どのようなコースをたどって数学者になるのか.数学者のピークはいつごろで,どのくらいの年齢までアクティブに研究できるのか.世間のイメージとも他分野の理系研究者の感覚とも異なる数学者の実像と思考法がうかがえるエッセイ.
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Posted by ブクログ
すぐ読める。
河東先生の人柄が文字から伝わってくる。
数学という学問の評価の仕方や、日本と海外の教育の違い、数学業界におけるコミュニティなど。
最後の研究に関する時間軸についてのお言葉は、とても感慨深いものでした。
おすすめです。
Posted by ブクログ
『科学』に連載された、数学者の随筆。数学者の文章に触れることが稀なのもあり、とても楽しく読んだ。
・日米の数学教育の違い
・大学入試の数学の採点には主観的なところがある
・大学での数学科の感覚は、工学部あたりよりも文学部の感覚に近いようだ
・数学の論文がジャーナルに載るまで
・「昔は物理学なんて怪しげな学問だと思っていたが、最近は物理学者の中にも少しは話のわかる人がいることが分かってきた」
などの話が特に面白かった。1時間程度で読めてしまうが、とてもワクワクできた。ざっくばらんで乾いた感じの文体もとても良かった。買って良かった。
Posted by ブクログ
数学者の書いたエッセイ集だが、同じ理科系とはいうものの数学は実験がないという特異点を持っており、その観点から説き起こした文章は楽しめた.フランス、ドイツ、ルーマニアなどの数学に対する状況が記されていたが、驚く点が多くあった.たまたま京都大学の柏原教授がアーベル賞を受賞されたニュースがあり、数学者の活躍を再認識した.高校までは割と得意としていた数学だが、大学の教養課程で高木貞治の解析概論を見て、これはついていけないな感じたことを思い出した.
Posted by ブクログ
数学研究に興味を持つ、特に高校生あたりにオススメ。数学者というと、どこか非常に遠いところの人、という認識をしていたが、彼らが日々どのような事を考え、どのような役割を担っているのか、研究というのがどのくらいのスピード感で進められているのかが良く分かって、とても面白かった。
Posted by ブクログ
数学者は何を考え何故にそう考えるのか。河東泰之のエッセイを読むと数学の世界の片鱗の片鱗が垣間見える。身近に数学者はいないし数学の授業には結局はついていけなかった。でも数学者の思考の筋道には不思議な魅力がある。新聞に載る数学問題は問いそのものがわからない。しかし数学者たちが築く抽象の塔は世界の仕組みを解き明かす鍵を秘めているのかもしれない。知らんけど!