あらすじ
カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。初顔合わせとなったその日、「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった……。回を追うごとに話は熱を帯び、バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活――を俎上に載せ、歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集。/【目次】悟りを開いたのはいつですか?/邪馬台国はどこですか?/聖徳太子はだれですか?/謀叛の動機はなんですか?/維新が起きたのはなぜですか?/奇蹟はどのようになされたのですか?/*本電子書籍は『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごい歴史ミステリ?に出会ってしまった。荒唐無稽な暴論?とも思えるが、史料なども引用して今までの歴史の常識を鮮やかに覆し、変に納得感のある6編。
作者の「この作品がフィクションであるという保証はどこにもありません。」という一文が妙に心に残ってしまう。
Posted by ブクログ
【はじめに】
今年になりまともに本を読めなくなっていた。体調のこともあるが何より読書も体力がないと持続できないことを痛感する。そんな中、友人に読みやすく面白い本ということで紹介してもらったのが本書だ。
【感想あるいは思ったこと】
鯨統一郎さん。初めての人?と思ったがかなり前に読んだことがあるようだ。「富士山大噴火」覚えていないが確かに記録にあり読んでいる。
歴史上の何故に迫る論理的な推理による短編集だ。ブッダ、卑弥呼、明智光秀、勝海舟、時代の転換点にifは付き物だが見事に説得力ある推論であらゆる時代を楽しめた。実に読みやすく面白い本だった。
【終わりに】
読書をするにも体力が必要と思う。知らず知らず集中力を使う。自分の中で一番取っ組みやすいジャンルが歴史系であることも再確認できた。
Posted by ブクログ
出てくる人物はある意味型通りで、
ある意味、キャラが分かりやすい。
深夜の枠で15分ドラマにしたら程よいコンパクトさ。
人物描写はベタだが、謎解き部分は意外なストーリー展開なのに説得力のある説明で、なかなかに読ませました。
ブッダが悟りを開いてないとか、
イエスとユダが同一人物とか、
エキサイティングでした。
Posted by ブクログ
歴史の定説を覆す結論を展開するが、その根拠を読むとあながちなくも無いと、思わず納得してしまいそうになります。固くなりがちな歴史の話を、個性あるキャラクター同士のBARでの会話の形にする事で、読みやすくなっていると思います。
実際、この本での結論が一般的な歴史解釈からどう反論されるのか(反論されているのか?)が気になり、消化不良を感じてしまいました。