【感想・ネタバレ】極夜の灰のレビュー

あらすじ

1967年末。精神科医のジャックはワシントンDCの陸軍病院で、顔と両手を包帯で覆われた男と向かいあっていた。旧知のCIA幹部から、北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災の調査を依頼されたのだ。発電室で出火し、2名が死亡。重度の火傷を負って昏睡から目覚めたコナーは、唯一の生き残りで、何が起きたのか思いだせないという。同じ火災現場で発見された遺体は、一方はかろうじて人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ遺体の状態にこのような差が出たのか? 幾多の謎と陰謀が渦巻く衝撃のミステリ長編!/解説=村上貴史

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Posted by ブクログ

ネタバレ

4.6くらい。

面白かった。
ミステリー小説でスリラー寄りだったが、ちゃんとミステリーはしてた。ミステリーファンなら気付く違和感があり、そこにニヤリとする楽しさがあって良かった。

最初のコナーの正体については、演劇部在籍だった事実から、これは演じてる可能性があるなたとなるし、輸血がうまくいかなかったのは、現場の医者気付けよだし、病室に出入り出来ちゃうのもセキュリティどうなってるんだ、という突っ込みはあるが、年代のせいもあるし、スパイが暗躍している設定なので、まあ誤魔化されてあげようという気持ち。面白かったし。

本当のコナーが生きている設定だったのも良かった。主人公のジャックがあちこち聞きに言った末に、問題の基地まで自分で行く構図が良い。現場主義だ。

あと、WW2中に従軍し火炎放射器を扱っていたジャックが火災の謎を追い、時には故意に火を付けて人助けをしたり、また人を殺したりという重なり具合も良い。妻の死についても、内省を深めて最後は若いカップルを救うことで自身もそこから解放される流れで良かった。

小説の文章も読みやすかった。場面転換もされるので、飽きが来ないし会話も読みやすい。
面白かった。

0
2025年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サイモン・モックラーの日本初邦訳。
大人向けの小説はこれが初めてとのこと。

北極圏の米軍基地で火災が発生し、2体の焼死体と大火傷を負った隊員が発見される。精神科医のジャックは、CIAの友人から大火傷を負った隊員から状況を確認して欲しいと頼まれ。。。

手堅くコツコツと進む中盤までと、終盤のツイスト加減が非常に良くできている。中盤までの展開は非常に地味ながらも、出てくる人物が全員怪しく、また誰もが嘘をついていそうで、全く安心できない。そこからの終盤に向けた畳み掛けは見事で、結構予想外のところに着地する。

シリーズ化はしないと思うけど、他の作品も気になる作家。ただ、帯などで読ませないといけないのはわかるが、こういったどんでん返し系で身構えてしまう宣伝文句は、もう少し考えて欲しいかな。。。

0
2025年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一個ずつ謎が解決していく時の驚き、どんでん返し。
経験上、精神的な病気の話のところは少しトラウマになりそうになった。
ボリュームあるので読むの時間かかったけど面白かった。
ミステリーものもいいなと思った。
終わり方はなんかオシャレな感じだったけど
結局最後スティグリッツはどうなったのか気になる

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本格ミステリ・ベスト2025年第9位。
火事で顔がわからなく、記憶喪失とくると、どうしても「シンデレラの罠」を想起してしまい、真相がその域を出なかったのでちょっと残念。前半は心理的な静のミステリ、後半は動のミステリとなったのは想定外。
ハッピーエンドなのはよかった。

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2025年08月08日

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