あらすじ
1967年末。精神科医のジャックはワシントンDCの陸軍病院で、顔と両手を包帯で覆われた男と向かいあっていた。旧知のCIA幹部から、北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災の調査を依頼されたのだ。発電室で出火し、2名が死亡。重度の火傷を負って昏睡から目覚めたコナーは、唯一の生き残りで、何が起きたのか思いだせないという。同じ火災現場で発見された遺体は、一方はかろうじて人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ遺体の状態にこのような差が出たのか? 幾多の謎と陰謀が渦巻く衝撃のミステリ長編!/解説=村上貴史
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前半は進展無いものの中だるみすることなく後半の二転三転する展開に上手く繋げている。いろんな伏線が自然に回収できており読んでいても無理矢理感は無く記憶に残るストーリーは良かった。
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途中でなんとなく推理ができてしまっても尚、ちゃんと最後まで面白い最高のミステリー。
展開も読後感も良い。
読んでいる間とっても寒いが、これは真冬に読むのがおすすめ。
年末年始にこたつで一気読みしたい本。
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わあ、面白かったよ。久々にページをめくる手が止まらなかった。北極圏のアメリカ基地で火災が発生、2人が亡くなり、1人は重度の火傷を負ってしまう。一体、基地で何があったのか、精神科医のジャックが、生き残った1人と向かい合い、話を聞こうとするが・・・。
1967年暮れ〜1968年2月まで、時系列に淡々とストーリーが紡ぎ出されていく。太陽が顔を出さない、凍り付く暗闇の世界。そこに3人が取り残された。想像するだけで頭がおかしくなりそう。
途中、ジャックがミスリードされている?やばいかもと心配になったが、どんでん返しが繰り返し起こり、一気にラストまで読んでしまった。ネタバレになりそうで、あまり書けないが、最後はちょっと駆け足だったかな。もっと犯人の断末魔みたいなものが欲しかった。とはいえ、久々に続き物ではないミステリは読んでいて楽しかった。
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中盤までは、硬派で地味なお話だと思った。私が尊敬する人がお勧めした作品でなかったら、読むのをやめてしまっていたかも知れない。
中盤以降は最高にエンターテイメントじゃあねぇか! と興奮して叫びだしたくなるくらいにエンターテイメントしていやがった。全部伏線だった。読み進めるほど加速度的に面白くなるタイプのスタンドだった。
主人公が賢くて勇敢で、常に悲しみを抱えていて煙草が似合って最高なんだ。実写化の際はマッツ・ミケルセンでお願いいたす。
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4.6くらい。
面白かった。
ミステリー小説でスリラー寄りだったが、ちゃんとミステリーはしてた。ミステリーファンなら気付く違和感があり、そこにニヤリとする楽しさがあって良かった。
最初のコナーの正体については、演劇部在籍だった事実から、これは演じてる可能性があるなたとなるし、輸血がうまくいかなかったのは、現場の医者気付けよだし、病室に出入り出来ちゃうのもセキュリティどうなってるんだ、という突っ込みはあるが、年代のせいもあるし、スパイが暗躍している設定なので、まあ誤魔化されてあげようという気持ち。面白かったし。
本当のコナーが生きている設定だったのも良かった。主人公のジャックがあちこち聞きに言った末に、問題の基地まで自分で行く構図が良い。現場主義だ。
あと、WW2中に従軍し火炎放射器を扱っていたジャックが火災の謎を追い、時には故意に火を付けて人助けをしたり、また人を殺したりという重なり具合も良い。妻の死についても、内省を深めて最後は若いカップルを救うことで自身もそこから解放される流れで良かった。
小説の文章も読みやすかった。場面転換もされるので、飽きが来ないし会話も読みやすい。
面白かった。
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閉じられず2日で読み終わり。時代設定もよく、事件の展開もテンポ良くてのめり込めました。グリーンランド、あまりに過酷な環境で、このようなところで生活する方の体力と精神力が想像つきません。サスペンススリラーというジャンルなんですかね。これからも読みたいです。
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最高のサスペンススリラー。頭キレッキレのサイコパス殺人鬼。北極の軍事基地で起きた火災により2人が死亡、1人が重傷。不可解な点の多いこの火災の謎を暴けるか!主人公は精神科医ジャック。生き残った1人への聞き取り、軍関係者や有識者への聞き取りにより、全体像を掴めていくが、事態は一変!!驚きの展開が何個も!!起・承承・転転転・結くらいに盛りだくさんで面白かった。
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50年以上も前、冷戦下。
まだ携帯電話もインターネットも
防犯カメラも普及していないような時代。
事件そのものも単純で
要のトリックもありふれたもののはずなのに
いや、だからこそ
自分で勝手に結末をつくり上げてしまい
そのとおりに易々と導かれ
惑わされ、騙されてしまったのかもしれない。
謎はとても深く、二転三転し
最後の最後に真実を突きつけられたときは
まさか!と声が出てしまった。
「ひとがそれを真実だと信じたくなるのは
自分でそれを
暴いたかのような気持ちになるからだ」
とあったけれど
本当に、まさに、それ。
Posted by ブクログ
サイモン・モックラーの日本初邦訳。
大人向けの小説はこれが初めてとのこと。
北極圏の米軍基地で火災が発生し、2体の焼死体と大火傷を負った隊員が発見される。精神科医のジャックは、CIAの友人から大火傷を負った隊員から状況を確認して欲しいと頼まれ。。。
手堅くコツコツと進む中盤までと、終盤のツイスト加減が非常に良くできている。中盤までの展開は非常に地味ながらも、出てくる人物が全員怪しく、また誰もが嘘をついていそうで、全く安心できない。そこからの終盤に向けた畳み掛けは見事で、結構予想外のところに着地する。
シリーズ化はしないと思うけど、他の作品も気になる作家。ただ、帯などで読ませないといけないのはわかるが、こういったどんでん返し系で身構えてしまう宣伝文句は、もう少し考えて欲しいかな。。。
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なんて表現したらいいんだろう……あまり期待してなかっただけにめちゃくちゃ面白かった!
書店で何気なく手に取った私の引きの強さを褒め称えたいくらい、久々に響いた1冊です。
いくつかの伏線は回収できてないとはいえ、なんとなく結末が見えてきた…と思ってもまだ半分ほどページが残ってて。その後の展開に、そうきたか!と思ってもまだ3分の1ほど残ってる……
この先あと何が続くのか?と思いきや、最後の最後でまさかの展開。
何でもない見逃していた文章が実は伏線だったりして、何度も騙されて何度も驚かされて、よくできたストーリーだなぁと感心させられました。
また忘れた頃に読み返したいです。
Posted by ブクログ
KOJI10を聴いて知った本。ヒデミス2024にも選ばれている。
活字を読むと眠くなるくせに本を読みたい欲はあるという厄介な体質。最近少し読めるようになってきた。
そんな自分が昨年末に買って今日(1/12)に読み終えるのは超異例。それくらい面白かった。
次回作にも期待。
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非常にテンポの良い話の進み方で読みやすい。
どんどん先が気になるので読んでいて飽きず、ラストの終わり方も心地よい。
主要な登場人物が少なく(事件の当事者は3人のみ)、すでに起こった事件に対して解明していく話なので、風呂敷が広がりすぎず、わかりやすかった。
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見つかった2人の遺体
そして、側にいた記憶喪失の男
面白かった!!!
ミステリー小説でありながらも、怒涛の展開で繰り広げられる物語に目が離せません。
テンポ感も良く、読んでいる人たちを惹き込む力があると感じました。
起承転結、全てがしっかりしていると思います。
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小島監督のコメント帯に釣られて読みましたが、なるほどこれは面白い。
2つの死体の損壊具合の差、輸血の拒絶反応、被害者が恋人に会いたがらない理由など、いろんなことがつながっていくのが面白くて、どんどん読み進められました!
ミステリー好きのみなさん、ぜひ!!
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面白かった!!
ヒントがいくつもあり、納得感のあるドンデン返し。
じみーなおじさんだけど、優しさと洞察力が高く、読んでいて応援したくなる主人公。
よかったですね!
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新潟旅行の読み鉄。
1960年代を舞台にしたミステリー。
解決したかに見えたその先に・・・
なかなかに読み応えがありました。
後から考えると、主人公が精神科医という設定にもバイアスがかかり・・・なるほどとうなされたり、冷静に考えるとそれはないだろうと思ったり、なかなかに翻弄されました。
新作がでたら、早い翻訳を望みます!
Posted by ブクログ
小島秀夫監督のヒデミスに選出されていたため購入。
前半はミステリーだったが、後半に差し掛かるタイミングで種明かしを行なって冒険小説っぽい雰囲気にシフトしていくのは面白かった。
特に読みにくさや翻訳の違和感もなく読破できた。
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目まぐるしい展開で、どんなジャンルの作品なのか最後まで予想ができずハラハラと楽しく読めた。意外と硬派な謎解きミステリー。日本語訳が秀逸で、外国小説なのを意識させず、とても読みやすかった。
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一個ずつ謎が解決していく時の驚き、どんでん返し。
経験上、精神的な病気の話のところは少しトラウマになりそうになった。
ボリュームあるので読むの時間かかったけど面白かった。
ミステリーものもいいなと思った。
終わり方はなんかオシャレな感じだったけど
結局最後スティグリッツはどうなったのか気になる
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このミスでランクインしており、またジャケットもかっこいいので購入。
極寒の世界だが、描写を読んでいるとまた寒さがこたえる。。。
問題解決かーという段階でまたページがけっこう残っていたが、そう来たかー
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小島秀夫監督がお勧めされてたので、読みました。場面がテンポよく切り替わっていくのと続きが気になって、どんどん読み進めました。最後の最後まで、めちゃくちゃおもしろかったです。
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本格ミステリ・ベスト2025年第9位。
火事で顔がわからなく、記憶喪失とくると、どうしても「シンデレラの罠」を想起してしまい、真相がその域を出なかったのでちょっと残念。前半は心理的な静のミステリ、後半は動のミステリとなったのは想定外。
ハッピーエンドなのはよかった。
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100ページ進んだくらいで面白くなってきた。真相はなんとなく予想できてしまうけど、それでも十分に楽しめた。真相が分かってその後の展開にはびっくり。
翻訳されてる本だけど、あまり違和感はなく読みやすい方だとは思う。
Posted by ブクログ
"写真のやっかいなところは、すべてを語っているようでいて何も語っていないことだと、ジャックは思った。
見ることができるのは一瞬であって、そのなかにすべてが見えることはある。だがその一瞬が、それ以外のすべての瞬間とどれだけぴったり合うかはわからない。ほんの一瞬の姿見だけで、誰かのひととなりをわかった気になるのは危険だった。"
精神科医のジャック・ミラーは、グリーンランドのある極秘施設で起きた火災事件の生存者から話を聞き、火災原因の調査をするようCIAから依頼された。生存者コナー・マーフィーは相貌が判別できないほど重度の火傷を負っており、事件当時何が起きたのか全く覚えていないという。調査を進めるほど謎は深まり、ジャックの身にも危険が及ぶ。手掛かりとなるふたつの損傷が異なる遺体は何を示しているのか…
サスペンスを読む時はまず語り手を疑え、というのは基本中の基本。事実と明言して書かれていること以外は、基本的に疑う。今と昔で状態が変化したとされるものも同じものとは限らない。なによりキャラクターたちが持つ偏見が最も答えを曇らせる。
そんな感じで、いろいろ疑っていけば割と結果がわかりやすい作品だった。
Posted by ブクログ
面白かったが、個人的にはもう一歩。
1967年、北極圏にある基地の中で火災が起き、隊員2名が死亡。
一方は人間の形を残しているが、一方は灰と骨と歯の塊だった。
その火災の唯一の生存者であるコナーは顔と両手に火傷を負い、記憶を失っていた。
主人公である精神科医のジャックは、コナーとの対話により真相を究明しようとする。
焼死体が2体出てくるのでよくある焼死体トリックかと思ったが、物語は二転三転し謎が深まっていく。
一般的なトリックではなかったが、少し突っ込みどころはある。
物語の進め方だったり、謎を少しづつ解いていくごとに明らかになる伏線回収だったりと、ミステリーの醍醐味を味わうことのできる内容なのだが、個人的に場面転換が細かく話が途切れ途切れになっている感覚があり、短編を読んでいるような気分になってしまった。
結果、読み進めるスピードが上がらないまま終わってしまった。
ただ、読後のすっきりとした爽快感があり、結末は好きである。
Posted by ブクログ
小島秀夫監督が絶賛していたどんでん返しミステリー。北極圏の米陸軍極秘基地で起きた火災で二つの遺体が見つかり、一人が奇跡的に生き残るという非常にインパクトのある設定から始まり、前半は夢中になって読み進めた。ただ、期待が大きすぎたせいかどんでん返しの内容にそこまで大きな驚きを感じることができなかった。さらに、後半に行くほどどんでん返しに至るまでの話の流れが冗長になり、最後の100ページくらいは失速してしまった。これは以前読んだ「身代わりの女」(海外作品)でも感じたことなので、海外作品特有の構成なのか、それとも選んだ作品のせいなのか...
評価としては最初のどんでん返しまでは星4でそのあとが星3という印象でした。
~小島秀夫さんの帯を読み直して~
改めて帯を読み直して気づいたが、前半はミステリー、後半は冒険小説という構成になっている(という小島秀夫さんの意見)。そう思って読むと後半部分にミステリー要素を求めてしまった自分の読み方が悪かったのかもしれない。