【感想・ネタバレ】何かが空を飛んでいるのレビュー

あらすじ

UFO現象や神秘体験を明快に論じた奇跡的名著がついに復刊! あわせて西洋近代オカルティズム略史、ジョン・ディーの精霊召喚、ナチズムとオカルト、柳田國男・南方熊楠の山人論争など、他界に魅せられし人々の、影の水脈をたどるオカルティズム・民俗学エッセイ・評論を一挙集成。

自序

第一部 何かが空を飛んでいる

まえがき
1 私は前科者である
2 踊る一寸法師
3 小人たちがこわいので
4 虐げられた人々
5 セックスと針とフライング・ソーサー
6 私を涅槃に連れてって
7 空飛ぶレイシズム
8 妄執の格納庫18
9 陰謀の泉
10 キャデラックの中の三人男
11 黒い哄笑
12 空を飛んでいるのは何か?
13 光に目が眩んで
あとがき
附録 泥の海――あるいは円盤文献瞥見



「純」円盤映画を求めて
不思議なセルロイド――怪奇幻想映画オールナイト全五夜

第二部 影の水脈

影の水脈――西洋近代オカルティズム略史
シオンの顕現――アーサー・マッケンと〈オカルト〉
天の影――チャールズ・ウィリアムズの場合
想像力という「呪い」――シャーロット・ブロンテ「ヴィレット」
異界の言葉――テオドール・フルールノワ「インドから火星へ」
地底への旅――カフトン=ミンケル「地下世界」
ログフォゴあるいは『岩の書』――リチャード・シェイヴァーについてのノート
水晶の中の幻影――ジョン・ディーの精霊召喚作業
物語としての同祖論の《起源》
妄想の時空――木村鷹太郎とウィリアム・カミング・ボーモント
獣人と神人の混淆――アドルフ・ランツとフェルキッシュ・オカルティズム
ヒトラー、ナチズム、オカルティズム

第三部 他界に魅せられし人々

他界に魅せられし人々―― 『妖精の誘惑』のためのノート
夢と光り物――アナ・キングズフォード、佐々木喜善、泉鏡花
「心界幽玄」のこと――南方熊楠とフレデリック・マイアーズ
先住異民族の「残存」――南方熊楠、柳田國男の山人論争における隠された文脈
牛涎的博士――坪井正五郎をめぐって
家に憑く――『四谷雑談』
平田翁の「夏休み」――『稲生物怪録』をめぐって

後記
索引

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Posted by ブクログ

ネタバレ

UFO関係では知らぬものがない伝説の本。砕けた口調の読みやすい本でありながら、科学的なスタンスをちゃんと保ち、巻末にちゃんとUFO本の書誌を用意しているという意味でできがいい本。最初にUFOと妖精などの小さい人々、怪物などの目撃談を交互に提示し両者の区別がつかず、発光現象、拉致などのポイントが共通していることから、体験者の文化的フィルターで妖精に見えたり宇宙人に見えたりしているだけに過ぎない可能性を提示する。
続いてMIBや宇宙人の東洋人的特徴に見られる人種差別観などが紹介され、アメリカをやわらか目の民俗学的、社会心理学的な視点で論じた内容になっている。

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2017年09月14日

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