あらすじ
コーチングとは、哲学であり思想です。人間にとっての根源的な問いについて考えることです。人間学と言ってもいいかもしれません。コーチングが目指すものは、一人ひとりが、よりよい人生を送ることです。そしてエグゼクティブ・コーチングの目標は、何よりも人と組織の可能性を最大化し、経営者の皆さんが自分で自分をよりよく活かせるようになることです。コーチング思考の原点とも言える、「心の科学の共通理念」があります。
1.自己理解できた分だけ他者理解できる
2.相手を変えることは難しい
3.自分が変われば、相手が変わる可能性が高くなる
コーチング思考で取り扱うのは、主に組織づくりや人材育成など「人の問題」です。しかし、人の問題というものは「こうすれば、こうなる」といったノウハウどおりに事が運ぶことが少なく、解決するのが難しいものです。人の問題を解決するために最も重要なのは、自分自身を知り自分を変えることにあると、私は考えています。そして、人の問題には即効性のある解決法は少なく、時間をかけて徐々に変わっていくものです。むしろ、早く何とかしなくてはと焦り、急いで他人をコントロールしようとすることには危険な場合があります。人を変えることはできませんが、コーチング思考によって考え方や意識の持ち方は誰もが変えることができます。本書では、そのようなコーチングの考え方について紹介していきます。読者が「成果を出す経営者」としてだけではなく、「成果が出せる幸せな経営者」となることを願っています。(著者)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
経営者に向けたコーチングを紹介している本だが、コーチング思考についてはビジネス(経営)に限らず人生全般においても応用が利きそうで、経営者でなくても学ぶことが多かった。
<メモ>
・常に自分を俯瞰して、問いかけ(その思考や感情が本当に正しいものなのか、その根底にあるものは何か、過去の経験に囚われていないか、等)を行う癖をつける
・自分の思考や認知を変えることで行動が変わり、やがては周りも変わる可能性が高まる(p.7)
・自分にとっての「幸せの価値観」を明確にし、それに沿った判断や行動をする
・アンダーマイニング効果(p.126)
報酬を与えられることで、「楽しい・面白いからやる(内発的動機づけ)」ことが「報酬をもらえるからやる(外発的動機づけ)」に変わり、モチベーションが下がってしまうこと
・やらなければならないこと(have to)を捨て、本当にやりたいこと(want to)を見極める(p.184)
・他者を幸せにすることで自分も幸せになる(p.207)
本筋からはそれるが、本書で紹介されていた前野隆司氏の「幸せの4つの因子」(p.68)も興味深かった。
・やってみよう因子
・ありがとう因子
・なんとかなる因子
・ありのままに因子
Posted by ブクログ
まず、コーチングはスキルではなく、思想ですよと。
コーチが重視するのは、課題解決だけではなく、課題を解決するために、クライアント自身が成長していくプロセス。
コーチングは原因だけではなく、目的に目を向ける。何が悪いかではなく、何を求めているのかに着目する「目的論」(アドラーの考え方)
コンサルよりもより深く、会社の運営思想にまで入り込み、マインドセットを変えていくこと。そして、以降、自走していってもらえることがコーチのやるべきことだと理解しました。ここまでやってくれるコンサルもいなくはないでしょうが、限られているでしょうね。
そして、今後のリーダーは「調和型リーダーシップ/マネジメント」が大切で、”今の社会で求められるのは、多様な価値観を出し合って、強制でも妥協でもない、新たな第三の価値を持てるように働きかけること”なんだと。最近、思っていることを言ってくれていたので、スッキリはしました。ただ、必要なスキルセットがいまいちぼんやりしていたので、
・サーバントリーダーシップ(部下に対して奉仕し、支援することで目標を達成させるリーダーシップスタイル)の考えを持ち
・メンバーとの議論をファシリテートし、
・コーチングしながら
・組織を引っ張り、マネジメント発揮せよ
と言っているのだと理解しました。大変だな・・・
これからコーチングについて、少し理解を深め(少し講習受講中)、日々の実践にトライしてみます。