【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス アレクシエーヴィチ 戦争は女の顔をしていない 人びとの声を紡ぐのレビュー

あらすじ

戦争を「事実」ではなく「感情」で描いた証言文学の金字塔

プロパガンダに煽られ、前線で銃を抱えながら、震え、恋をし、歌う乙女たち。戦後もなおトラウマや差別に苦しめられつつ、自らの体験を語るソ連従軍女性たちの証言は、凄惨だが、圧倒的な身体性を伴って生を希求する。そうした声に寄り添い「生きている文学」として昇華させた本作をはじめ、アレクシエーヴィチの一連の作品は「現代の苦しみと勇気に捧げられた記念碑」と高く評価され、ノンフィクション作家として初のノーベル文学賞を受賞した。原発事故、差別や自由、民主主義等、現代世界への問いを提起し続けるアレクシエーヴィチの文学的価値を親交の深い著者が語る。特別章ではロシアのウクライナ侵攻以降の状況も解説し、読書案内も収載。

【内容】
はじめに――人びとの声を紡ぐ
第1章 証言文学という「かたち」
第2章 ジェンダーと戦争
第3章 時代に翻弄された人びと
第4章 「感情の歴史」を描く
ブックス特別章 逆走する歴史
読書案内

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Posted by ブクログ

アレクシエーヴィチの著書「戦争は女の顔をしていない」を要約したNHKの番組「100分で名著」の同タイトル回の書籍化。

アレクシエーヴィチ本人が「もし現代で本作の取材活動を行った場合、思うように発言できない人が多いから証言が集まらないだろう」という旨の発言をしていることが触れられている。どうしても他国の戦争は文字通り対岸の火事として見てしまい現代の戦争にリアリティを感じられないでいる身には、非常にショッキングだった。「歴史は繰り返す」と言うとき人は諦観とともに語るがなぜ人々が悲劇を繰り返そうとするのかを知るためにも様々な人に本著をおすすめしたい。

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2024年10月01日

Posted by ブクログ

マンガを少し読んだことがあり手にした。
NHK番組の文章版で、原作からごく一部抜粋した構成で、原作の作者アレクシエーヴィチの行なったこと、どのような姿勢でこの著作物を作り上げたのかが描かれる。
ウクライナの戦争が始まってからの彼女のコメントもあり、なんとも言えない。
戦争が無事終わったあとに、きっと新しく何かを記すだろう。それを読んでみたい。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

本書はアレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』を要約し、NHKテキストから加筆したものである。該当作品がボリュームが多かったので、なかなか読むに踏み切れず、そんな折に本書を見かけ、こちらを先に読む事にした。
結果読んで良かったと心から思っている。わかりやすかったし、より興味が湧き、アレクシエーヴィチ著の『戦争は女の顔をしていない』もやはりちゃんと読みたいと思っている。
第二次世界大戦、スターリンの独裁政権、前線に出た女性たち、その末路。そしてNHKチキストからの加筆分は現在のウクライナ侵略に関して。
これからも考えていきたい。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

原著を読んでみたくなった。
原著を基に内容をまとめながら補足説明、さらに当時と現在のロシアがどのような状況にあるのか、がわかりやすく書かれており興味深い。『戦争は女の〜』は漫画もあるそうなので気になる。

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

このシリーズを初めて読んだが、歴史的背景などがわからずハードルが高い本に対する導入としては良いと思う。

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2025年02月27日

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