【感想・ネタバレ】レーテーの大河のレビュー

あらすじ

運命の車輪は回り始める。日本を揺るがす“危険な積み荷”とともに。
江戸川乱歩賞作家が時代の闇に挑むノンストップ・サスペンス!

終戦時の満州、そして五輪開催直前の東京。二つの「昭和」を貫いて走り始めた機密列車の後ろ暗い任務とは。
楔になろうとした男たちの、捨て身の作戦とは。

終戦間際の混乱で親を失った三人の戦災孤児。関東軍の機密物資を日本に運んだ2人の陸軍中尉。
焼け野原から復興へーーオリンピックを目前に急ピッチで東京の整備が進む中、日銀の現金輸送担当者が線路に転落死を遂げた。
事故として処理されるはずだったその死を合図に、二度と交わるはずのない人生が再び交差する。
そして、運命の列車は走り始める。

俺たちは駒だ。だが、駒だって逆らう。

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Posted by ブクログ

斉藤詠一『レーテーの大河』講談社文庫。

この著者の作品を読むのは『到達不能極』に次いで2作目。

結論から言えば、多少無理があるものの『到達不能極』を凌ぐ面白い小説だった。まずはタイトルの『レーテーの大河』という聞いたことの無い言葉が興味を唆るのだ。また、日本の高度経済成長期である昭和38年から39年を舞台にしているところも面白い。そして、何よりも全編を通じて描かれる壮大な謎と鉄道ミステリーの仕掛けと後半の予想外のアクションシーンが面白い。


昭和20年の満州で帝国陸軍中尉の最上雄介と石原信彦に助けられ、親と離れ離れになりながら、辛くも日本に戻ることが出来た天城耕平、藤代早紀子、小野寺志郎の3人の子供たち。

3人の子供たちは孤児になりながら、戦後の日本で必死に生き、それぞれの道に進む。

昭和38年、東京オリンピックの好景気に沸く中、日銀の現金輸送担当者の鹿島聡が列車から転落死し、直後に鹿島が通っていたキャバレーの馴染みのホステスだった藤代早紀子が姿を消し、同時に小野寺志郎も行方不明となる。

2人の身を案じる天城耕平の元にある日、レーテーを名乗る謎の人物から列車の切符と共に新潟から東京に向かう『天の川』に乗車するように指示される。

『天の川』に乗り込んだ耕平を待ち受けていたのは……

本体価格850円
★★★★

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2024年08月24日

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