あらすじ
巨人・原辰徳、名将・野村克也に仕えた現役監督が明かす、今勝てるチームとは?
どんなに人間的に素晴らしく、選手から「いい人」と思われていても、肝心の勝負ごとに勝てなければ、指導者として失格の烙印を押されてしまう。
とくにプロ野球の世界は、プロであってアマチュアではない。「選手を育てること」と同時に、「勝つこと」も求められている。
この2つのミッションを貫徹するためには、選手たちに対して厳しい面をどう植え付けていくのかを考える必要がある。
また、どういった考えのもとにチームを動かしていくのか、監督とコーチが考え方を共有していなくてはならない。結果を残せなければユニフォームを脱がざるを得ないのは、選手もコーチ陣と同じ条件ではある。
それだけに監督は、「今の時代に合った指導法」を確立したうえで、チーム運営にあたらなくてはいけないと思っている。
本書では、私が2012年から14年までの3年間、巨人のコーチとして在籍していた時代のことを中心に、勝ち続ける要素とは何だったのか。
さらには令和の今の時代の選手たちに会った指導方法についてを、余すことなく語っていくことにした。
巨人時代に一軍監督として指揮していた原辰徳さんは、勝利に対する執念がものすごかった。
監督晩年は采配面で批判されることもあったが、「ここが勝負どころだ」と見極めたときに発揮される決断力に驚かされることは、一度や二度ではなかった。そのあたりも紐解いていきたい。
同時に本書を通じて、野球の持つ魅力や奥深さ、難しさについて知っていただくことができれば、このうえない喜びである。
オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ監督 橋上 秀樹(本書 はじめに より)
【内容】
第1章 私が巨人に戦略コーチとして呼ばれたワケ
第2章 私が経験した原野球
第3章 監督になって知ることのできた野球の難しさ
第4章 選手のやる気を引き出すアドバイス
第5章 原さんと野村さんの采配面での大きな違い
第6章 優勝するうえで必要な要素とは
第7章 「野球といえば巨人」の時代が終わったからこそ
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Posted by ブクログ
2025年から巨人軍にコーチとして復帰する筆者。今年の6月に出版された本があったので読んでみた。
野村監督の参謀役としの経歴は別の本に。野村監督より原辰徳監督の采配について多く記載。奇策でなく正攻法、横綱相撲を取らざるを得ない巨人軍の事情、ただし原監督の勝負師としての実力は強く認めている。
前回の巨人入りはあの清武英利氏のお膳立て。今回はおそらく阿部慎之助監督の高校の先輩という関係から三顧の礼で迎えられたのだろう。
捕手としてヤクルトの采配を直に見てきた阿部監督だからこそ橋上作戦コーチと共に相手の嫌がる野球を展開することだろう。