【感想・ネタバレ】わたしたちの担うもののレビュー

あらすじ

全米100万部の若き桂冠詩人、初の詩集が待望の邦訳

2021年、アメリカ大統領就任式で世界を驚かせた若き桂冠詩人。パンデミックと分断の日々を尖りまくった表現で描き出す、驚愕の作品集が登場。

大統領就任式での『わたしたちの登る丘』の朗読で一躍、現代アメリカ最重要詩人となったアマンダ・ゴーマンの第一作品集。
彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのリリックに変える。
歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かい、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。
パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。
彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未来への声だ。

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Posted by ブクログ

アマンダ・ゴーマンさんの詩集ですね。
アマンダ・ゴーマンさん(1998年、アメリカ生まれ)
詩人、活動家。全米青年桂冠詩人受賞。
2021年1月、ジョー・バイデン大統領の就任式で、自作の「わたしたちの登る丘」を朗読。
訳は、鴻巣友季子さん(1963生まれ)
翻訳家、文芸評論家、エッセイスト。

 アマンダ・ゴーマンの第一詩集。
『彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのりリックに変える。歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かに、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未来への声だ。』と、紹介されています。

      「わたしたちの名は」

 わたしたちの型に痣を刻印し、
 この日付をしるせ。

 この体は折々に半分以上が
 自分のものではなくなる。

 わたしたちの躰は非人間の細胞を
 容れる器になった。

 細胞にとってわたしたちは
 存在を乗せる小舟

 不可欠のもの。
 国
 
 大陸
 惑星

 人間
 微生物叢というのは、この体の
 表面&内面でうごめくなにか。
 わたしたちの生の下で設計されるもの。
 
 わたしたちは、わたしではないーー
 わたしたちは、わたしたちだ。

 こうしてわたしたちが担うもの、
 その名でわたしたちを呼んでほしい

      「樹木のように Ⅱ 」

 樹木のように
        わたしたちがしきりと
 探っているねは
        暖気で、
 それは
        この目ではなく、
 このぼやけて
        体で探す、
 内に縫いこまれた
        天使が探す。
 斜め上へまっすぐ
        なぜなら
 じっとしたまま&
        喜びにこの負傷を
 見つけさせる
        方法はあるから。
 低く鳴る
        音の
 ように
        わたしたちの
 頭を
        喪失に
 洗われている
        ときでさえ。
 わたしたちは
        おたがいの
 いちばん良いところを
        つかんで、
 &始める。

 『わたしたちの登る丘』も収録されています。
 謝辞の最後に「わたしは黒人作家たちの娘。縛めを断ち切り、世界を変えた自由の闘士たちの裔。かれらがわたしを呼ぶ。わたしはかれらを担いつづける。愛を、アマンダ」と綴られています。
 人種差別の活動家としても、若い闘士の雄叫びの詩もあります。
 翻訳の鴻巣友季子さんの詳しい解説も、こね若い詩人を讃えています。
 なかなか、受け止めるのが大変な詩が多いですが、読み応えのある素晴らしい詩人さんですね。
 若い詩人の内面からの言霊に、身震いを感じる真摯な詩に感動を覚えます。

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2025年02月21日

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