あらすじ
「初心忘るべからず」は誰でも知っている名言ですが、それが世阿弥の言葉だと知っている人は少ないのではないでしょうか。
また、「初心」は若い新人だけのものではなく、それぞれの年齢に初心があるのだと世阿弥が言っていることも知られていません。
本書は実際に能楽師として活躍する著者が、有名な『風姿花伝』だけではなく、他の多くの世阿弥の著書から現代人に役立つ名言を厳選し、新鮮な現代語に訳してお届けするものです。
世阿弥の言葉はたんなる心構えを述べるだけでなく、リーダーシップや発想、目標達成、人材育成等々の実践的な方法を説いていて、ビジネスパーソンが仕事術としてすぐに使える要素がたくさん含まれています。
<目次>
Ⅰ 初心――学ぶ姿勢とは
Ⅱ 花――成長
Ⅲ 勝負の心得
Ⅵ 品格
Ⅶ 面白さ
Ⅷ 成功
Ⅸ 幸福
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Posted by ブクログ
・初心忘るべからず
1.道を志しはじめたときの「未熟さ」を忘れてはならない
2.キャリアに応じた、その時その時に抱く「感覚」を忘れてはならない
3.何歳になろうと、初めてというものはある。そのときの感覚を忘れてはならない
・「基礎」は「器」のようなものだ。ものごとを「有」と「無」の2つに分けてみると、「有」は目に見える「物」、無はその表現が入る「器」と言えるだろう
・勝つためにすべきこと
まず手段を多く持ち、相手と違うことをすることだ。
・理想の状態を作るために「どうしたら沈まないか」のような否定形の質問は使わない。「どうなったら面白くなるか」と肯定形の言葉で問いを立てるのだ
・耳に聞こえる言葉を先に届けて、動きを後ろから目に入るようにするのがいい。そうすれば言葉を受け取り、動きも受け取れるようになる。それが見聞成就、伝わるということだ
・上手い人というのは、どんなに見劣りする人からでも良いところを見つければそれを学ぶ。これが上達の方法である。もし未熟な人の中に良いところを見つけても、下手な人のしていることは取り入れないというプライドがあると、自分の改善点を見つける気持ちにはならないだろう
・サブリーダーの心得
サブリーダーの大事な仕事が、最初に登場しその時のテーマを明確に伝え、場の空気を作り上げることだ。冒頭の役割を終えたあとは、出演者全員が引き立て会えるようにリーダーの作りたい世界観に沿ってバランスの取れた雰囲気を作るようにしよう