あらすじ
果てしなく広がる大砂漠には、はるかな昔から数々の国や都が生まれては、やがて砂にのみこまれて忘れさられていった。そのなかで決して忘れられることのない都がひとつだけある。砂漠にありながら青い水が尽きることなくあふれた都。人間にはない力を持ち、美しくも恐ろしい姿をした魔族が造った奇跡の都ナルマーンだ。魔族の王〈青の王〉のたどる数奇な運命を軸に、ナルマーンにまつわる不思議な物語を連作方式でまとめた珠玉の短編集。アラビアンナイト風の世界を舞台にした、大人気のファンタジイ『青の王』『白の王』『赤の王』続編。/【目次】プロローグ/1 絹の都の姫君/2 小さな眷属の憂い/3 白の悪だくみ/4 赤の贈り物/5 青の再会/6 夜風と共に/エピローグ
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Posted by ブクログ
赤の王の話が特に印象的だった。短編集でありながら一つの本としてもまとまっていて面白い。アイシャとタスランの恋模様も見ることができてよかった。
Posted by ブクログ
【収録作品】
プロローグ
「絹の都の姫君」絹の都の領主イフメドの寵姫が、正妻の怒りを恐れて娘ネフェルタを連れて逃げ出す。跡取り問題が起き、イフメドの忠臣ユフスは彼女を探しに旅立つ。
「小さな眷属の憂い」青の王ラジェイラの話。
「白の悪だくみ」アイシャとタスランの話。
「赤の贈り物」赤の王アバルジャンが人間界を旅したときの話。
「青の再会」青の王ラジェイラの跡取り問題。
「夜風と共に」成長したネフェルタとユフスの再会。
エピローグ
大きな歴史の流れとその狭間にある愛おしいエピソードの数々が語られる。楽しい。この魔族たちのなんと優しく賢いことか。
Posted by ブクログ
ナルマーン年代記シリーズの外伝的短編集。青の奥関連の話が多めかな。なんともほっこりとした読後感の作品ばかり。もっといろいろな話が読みたい。
1. 絹の都の姫君
イシュトナール2世の統治下にあるナルマーンの都の一つ,絹の都ハタリース。その領主イフメドの後継者を巡るお家騒動
2. 小さな眷属の憂い
配偶者を得ず,子も成さずに長年過ごしてきた青の王ラジェイラを可愛そうだと思った青の眷属ワスラム。しかし幸いの虫アッハームから意外な秘密を教えられる。
3. 白の悪だくみ
白の王はある日,自分の目の一つを体に持つ少女アイシャの悲しみを知り力になってやりたいと考える。
4. 赤の贈り物
赤の王は,青の王に子供が生まれたのを知りなにか特別な贈り物をしたいと考えるが,アイデアが浮かばない。眷属の一人の勧めで,しばらく人間に混じって人間を学びその上で人間の作ったものを贈り物にしようということになる
5. 青の再会
遂に青の王ラジェイラの最期の時が近付いてきた。子供のいないラジェイラは後継者となる魔族を選ぶ必要があった。
6. 夜風と共に
絹の都の姫君の後日談