あらすじ
玩具会社部長の馬割朋浩から、妻・真棹の素行調査を依頼された調査会社社長・宇内舞子は、新米助手の勝敏夫と共に夫妻の乗った車を尾行する。ところが、その車を隕石が直撃するという奇禍で、朋浩は命を落とす。この事件が幕開けを告げたかのように、馬割家で不可解な死が連続し、舞子と敏夫は、幕末期まで遡る一族が抱える謎と、「ねじ屋敷」と呼ばれる同家の庭に造られた、五角形の巨大な迷路に隠された秘密に挑むことになる。絢爛巧緻な犯罪絵巻であり、本格ミステリの醍醐味に満ちた、第31回日本推理作家協会賞受賞作にして、不朽の名作!/解説=阿津川辰海
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Posted by ブクログ
トリックあり、恋愛あり、冒険活劇要素ありの贅沢な傑作。
犯人は冒頭で運悪く死亡するが、その後に起こる殺人はすべて犯人が事前に仕込んでいたからくり殺人だった。
冒頭の事故はなんと隕石が突然降ってくるというギャグみたいな展開。あまりに非現実的すぎて、夢と現実が混ざっているのでは?と少し勘ぐってしまったほど。
文章がかなり上手く、物語の中に自然に伏線を溶け込ませる技巧やホワイダニットが鮮やかであることは連城三紀彦を思い出したし、解説の阿津川辰海も同様のコメントをしている。そして阿津川という名字が泡坂妻夫の本名厚川から取られていることを今さら知る。