あらすじ
野ざらしの廃車両、ぽっかりと闇をのぞかせる廃トンネル……全国に散在する廃線にも、かつては活気に満ちた時代があった。なぜこれらは廃止されてしまったのか。戦中の「不要不急路線」にはじまり、モータリゼーションや国鉄再建に伴う大量の廃止、近年の自然災害による廃線などを時代別・種類別に紹介する。そして現在、新たに巻き起こっている廃線論議の解決策はどこにあるのか。廃線からたどる日本交通史。
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Posted by ブクログ
宮脇俊三作品を耽読したという著者。だからこそ次々に廃線に追い込まれる路線を看過できなかったのだろう。本書は鉄道関連法令と、それに基づく廃線に至る手順を総論として解説し、各論では著者が過去に訪れた路線・駅を再訪し、廃線後の現状を見ながら、鉄道のあり方を考察する。巻頭地図の北海道を見ると、北海道の形に伸びる鉄路が次第にスカスカになっていく様をまざまざと見せつけられ、廃線の象徴がここにある。物流2024年問題を解決する可能性がある鉄道を、今一度見直すべきだとする著者に激しく同意!
Posted by ブクログ
勝手に「廃線跡紀行、もしくはガイド、カタログ」と思ってたら案外ガチな分析、解説やった。いや、「廃線史」やねんから当たり前で勝手に勘違いしてたんやけど。
思ってたんとは違ったけど、分析、解説は分かりやすいし納得。しかし北海道新幹線の並行在来線どうすんのかな。
Posted by ブクログ
読みやすい。廃線危機の路線、筆者の提案するように特定目的路線として残る道があればいいな〜〜と思う。北海道については国防の観点も含めてとのことに驚いたが、そもそも鉄道を沿岸部中心に張り巡らせたのも国防のためだったよなと。
Posted by ブクログ
ローカル線を取り巻く環境は国鉄時代よりよほど厳しい。日本国内の鉄道の廃線の歴史こら今後のローカル線のあるべき姿を模索する作品。
特に北海道の鉄道地図のあまりのシンプルさには驚愕。過疎化、人口減少などローカル線の未来は限りなく暗い見通しである。
過去に乗ったローカル線の廃線跡を実際に辿りつつなんとか生き残る方法を模索した一冊。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 鉄道を廃止するということ
第2章 戦時における廃線
第3章 国鉄時代の赤字線廃止
第4章 災害による廃線
第5章 平成・令和の経営不振路線
第6章 鉄道存廃の議論今むかし
<内容>
経営不振の廃線を多くみてきた。特に国鉄晩年の北海道や地方の中小私鉄。廃線跡を巡るのも楽しかった。しかし近年は、災害によるダメージによる廃線も目立つ。最終章にあるように、鉄道は単なる会社ではないので、単純に廃止をするのはおかしいだろう。地域の繁栄や存在の維持など、単なるもうけではない部分が鉄道にはある。新幹線も東海道・山陽以外は儲かっていないようだし、同書に載る、いくつかのプランを考えてみては如何だろう?
Posted by ブクログ
戦時中から現代まで様々なタイプの廃線事情をまとめた本。過去の著者写真なども使われていて、貴重ではある。しかし歴史をまとめただけで、さらに深い論考には至らず。