あらすじ
夏目漱石、正岡子規、永井荷風、林芙美子、吉田健一、開高健……。総勢22名の作家が愛した食から、その素顔と人生に迫る。
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Posted by ブクログ
大本泉「作家のごちそう帖」、2014.9発行、再読。いくつか紹介しますと: ①1892年3月、1日、辰の年、辰の月、辰の日、辰の刻に生まれたので龍之介と。芥川龍之介の食生活は質素、ただ鰤の照焼きには目がなかったそうです。②永井荷風の断腸亭日乗で描かれた「自炊」と「外食」③三島由紀夫の1970.11.24の最後の晩餐。新橋「末げん」の鳥鍋。女将の「またお越しください」に「こういう女将がいるなら、またあの世からでも来ようか」④向田邦子:水羊羹の命は切口と角 ⑤川端康成1972年ガス自殺、口にした最後がガスとは
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この手のタイトルにありがちな文豪聖地巡礼グルメガイドではなく、食に纏わるエピソードの紹介を通して筆者による各文豪の人間性への考察もあわせて楽しめる一冊。(タイトルにごちそう帖とはありますが、サブタイトルに「悪食・鯨飲・甘食・粗食」とあるところからも、グルメ名店ガイドでないことが分かるかと……)
人間なので生きるためには食べなきゃならん、ってわけで、そこから透けて見える切なさや滑稽さが愛おしく纏められてる。それにどの作家も真摯な描き方なところがとても好印象。(たまに文豪ゴシップ的に毒舌な貶しで読者を楽しませようとする書き方をされる人もいらっしゃいますが、アレは読んでて不愉快になるんですよね~。この本はそれがないので読んでて楽しい!)
巻末の参考文献を見ると、どの作家も引用元の参考文献が3冊~5冊と手厚いのも読み応えバッチリの印象の根拠かと。