あらすじ
「子どもを産まない」その一言が言いづらい
「なんで産まないの?」「次は子どもだね」「産んだらかわいいって思えるよ」「産んで一人前」
友だち、親、同僚、パートナー、SNSの言葉に戸惑い、傷つく女性たち。
女性たちの「産まない・産めない・産みたくない」を丁寧に聞きとったインタビューと著者自身の「産まない」を紐解くエッセイから見えてくる、日本の女性たちのリアル。
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Posted by ブクログ
とーーーーっても良かった。
整理整頓が苦手で、家事がうまく出来なかったという著者の話を読んで、そうか家事にも得意不得意があるんだ、でも、女性はみんな出来て当たり前、出来ないとおかしいくらいに思われるよなと今更ながら気づいた。女性にとって、専業主婦になることがもっと当たり前で夫婦間で分担なんてなかった時代、苦労した女性は多くいたんだろうなと思う。
コロナ禍、チリの自閉症の方への配慮の話や、日本はほとんど、産めない性が産める性のことを決めているという指摘を読んで、ルールを決める人たちの多様性の大切さを改めて感じた。
どんな問題もそうだけれど、今回のテーマに関しても、選択肢があることで解決につながる可能性は高く、また、それぞれの選択肢を尊重し合うお互いの姿勢が大切だと思った。
何が正しいとかじゃなくて、みんなが幸せになれば良いじゃないか。言うは易しではあれど、目指したいところはそこではないかと思った。
Posted by ブクログ
子どもを産まない選択をした著者のエッセイと、産まない女性や産めなかった女性、産んだけどやり直すなら産まないだろうという女性など、さまざまな女性たちの話。
少子化の時代に産まない選択をするのは身勝手、とか言われるけど、じゃあ子どもとは人間とはお国のために生まれさせられるものなのか、って個人的にはとても疑問。それも含め、産むのが善で女性なら当然産みたいと思っているはずだという「普通」の価値観への疑問をつきつける。突きつけると言うと喧嘩腰だけれども、産むと産まないの対立構造ではなく、「どうして産まないと決めたの?」「どうして産むことにしたの?」とお互いに対話することが、女性同士連帯していく第一歩だとする考え方には、本当にそうだなあと思う。でも現実の世の中は、子持ち様だとか無産様だとか、無駄に匿名の誹謗中傷があって、一挙手一投足に論う人がいて、分断が進んでいくようで嫌になる。
今は産まないつもりだけど、いつか産むかもしれない。選択したことわ変えてはならないのではなく変わることもありうるのだ、という柔軟性がいいなと思った。産まなくて後悔することもあるかもしれないけど、産んで後悔することもあるだろうから、それなら産まない後悔を選ぶ、という著者の言葉も腑に落ちた。