【感想・ネタバレ】アイデアが実り続ける「場」のデザイン 新規事業が生まれる組織をつくる6つのアプローチのレビュー

あらすじ

新規事業で成功したいなら、まずは組織の「土づくり」から。
豊かな発想が自然にやってきて、失敗も“養分”となるような「場」とは?

新規事業施策の現場では、アイデア出しの方法論やフレームワークを学んだり、アイデアを磨き上げて事業化したりするプログラムが組まれています。
ただ、方法論を使えば有望な事業が生まれるわけでもなく、参加者はダメ出しばかり受けて意気消沈……。

求められているのは、アイデアが「やってくる」環境をつくり、成功しても失敗してもそこから得られた学びを組織に還元すること。
アイデアを出す側も評価する側も、価値観のアップデートが必要です。

数々の新規事業施策の現場を見てきた著者が考える、価値を生む組織をつくるためのトップダウンのアプローチ3つと、ボトムアップのアプローチ3つとは?
名和高司氏、ドミニク・チェン氏、守屋実氏、佐渡島庸平氏らとの豪華対談8本を収録。

〈著者〉小田 裕和 Hirokazu Oda
株式会社MIMIGURI デザインストラテジスト/リサーチャー。co-nel: 代表。

〈目次〉
第1部 新規事業が生まれないのはなぜか
第1章 組織の土壌を悪化させる新規事業
〈対談/守屋実〉「やればやるほど疲弊していく」――新規事業の「土」を汚染するもの
第2章 実り続ける組織のための、豊かな土壌とは?
〈対談/ドミニク・チェン〉「失敗が組織の土壌を豊かにする」――新規事業を育む「発酵」

第2部 トップダウンで土壌を耕す3つのアプローチ
第3章 アイデアの評価を問い直す
〈対談/安斎勇樹〉新たな事業は、推し合う文化から生まれる?――新規事業を「評価する側」のアップデート
第4章 理念やパーパスを新規事業創出に活かす
〈対談/名和高司〉イノベーションを“連打”するために必要なのは?――新規事業と「学習する組織」
第5章 アイデアが「やってきやすい」場をデザインする
〈対談/山田裕嗣〉アイデアが「やってくる」――「中動態」と「ソース原理」から考える

第3部 ボトムアップで価値をつくる3つのアプローチ
第6章 価値の格をデザインする
〈対談/徳谷柿次郎〉「ある」が溢れる世の中で、新しい価値をつくる――新規事業と「価値の格」
第7章 課題のストーリーを描く
〈対談/佐渡島庸平〉「課題に恋をして、意志を持った愛に変えていく」――新規事業に不可欠な“課題のストーリー”
第8章 探索の場づくりに取り組む
〈対談/横石崇〉「助けて」に自分を開く――アイデアが生まれる「場」

※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新規事業が生まれる組織を作るアプローチとのこと。
ややアカデミックだがとても興味深い
自身の興味分野にどハマり

メモ
・両利きの経営の形の3つのアプローチ
  連続的アプローチ、構造的アプローチ、文脈的アプローチ

・そのスパイラルにつながる4つのポイント
  事業評価するまなざしが変化していない
  正しいプロセスや再現性ばかり重視する
  アイディア発想法に頼るしかないよい余裕のない現場
  失敗推奨の割に、失敗に関心のない風土

⭐︎医者と看護師が電気自動車を売ったり、トヨタの工場と販売員が患者診察するようなもの。

・気象と土壌は土地によって異なる。その土地によって育てやすい作物は異なる

土づくりのビジョンはあるか
  土地の特性を認識する
  土壌の物理性、化学性、生物性
  組織構造、不足部の施策、価値観から失敗を力に

・組織学習の要件
  個人学習の総和でなくシナジーが生まれること
  共有組織目標や文脈のもとでのその組織ならではの学習であること
  組織内他者に伝達された正統性を獲得した学習であること
  長い年月や人の入れ替わりを経ても継続される学習内容であること

・より良い土壌作りの八つの探求
  社会的価値の探求
  事業ケイパビリティの探求
  組織アイデンティティの探求
  ここの自己実現の探求

・失敗が組織の土壌を豊かにする
・自分なりのおましろさを大事にする

・分かり合えないことを分かち合って一緒にいられる集団に
・発酵は他の人のエネルギーから自分のエネルギーを作る
・新規事業施策はいかに組織を豊かにしていくかのもの
・よしあしは評価する人の価値観で決まる
・価値観をいかに柔軟に変容させていけるか
・価値観変容の4要素
  新しい人や状況と出会い、多様な価値観に触れる機会
  自らのこだわりやとらわれと向き合う場
  変容と向き合う余白を生み出す
  違いを分かち合える関係性
・わかりあうは価値観の重なるところを見ようとする活動。わかちあうは違いをフラットに認識し合うこと
・新規事業のダメ出しは簡単。ポテンシャルを見出すことが難しいことであり、大事な部分
・探求するためのアプローチ
  動詞に問いをたてる。飲料メーカーなら飲む、潤す、寄り添うなど。誰に寄り添うのかと
  ビジネスモデルを抽象化してずらす。宅配便ならまだ知らない届け先は?そこで実現されてないコミュニケーションは?関係性は?価値は?など

・アイデアはやってくるもの
・身体性が高まる瞬間
 とにかく大きくしてみる。ホワイトボード、見える化
 表現してみる。観察できるように
 他の場から学ぶ。良いレストラン、結婚式場など
・価格とは価値の格。
 価値の格は関係性によって変化する。
・既存の価値の格を観察する
  同業種に生じる価格の差を観察する。コーヒー
  同じ価格の中での顧客層の違いを観察する。チョコザップとフィットプレイス
  異業種間での類似する価値の格を観察する

・identity ideal ideaという構造認識。 
  identityは私が何者か
  idealは理想
  ideaは発想や意図

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分かり味が深い。「新規事業」の定義の次元が違う。既存事業の範囲を超えて、社会に変革を起こすことができるのか。ideaでは価格競争から逃れられず、ideal, identityまで持っていく必要性を今更ながら理解。課題のストーリー、why ではなくwhere、動詞探求とアプローチのアイデアがたくさん貰えた。実践してリフレクションした後にまた読み返したい。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

「場」と聞くと、二次元のフィールドのような語感だが、人間の多様な関係性、例えば、N次元の(閉じた)世界のような気がする。

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2024年07月21日

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