【感想・ネタバレ】いまだ成らず 羽生善治の譜のレビュー

あらすじ

25歳で七冠を制した羽生善治。
勝敗の数を超えたその強さと人生を、
藤井聡太らトップ棋士たちとの闘いを通じて描く。

宇宙のように広がる盤上で駒をぶつけあう者たち――。
本書は、名対局の一瞬一手に潜むドラマを見逃すことなく活写してゆく。
中学生で棋士となった昭和。勝率は8割を超え棋界の頂に立った平成。
順位戦B級1組に陥落した令和。三つの時代、2千局以上を指し続けた
羽生善治、そして共に同じ時代を闘ったトップ棋士たちの姿を見つめながら、
棋士という“いきもの”の智と業をも浮かび上がらせる。
「週刊文春」連載時より大きな反響を呼んだノンフィクションに
新たな取材、加筆を行った堂々の一冊。

【主な登場棋士】
米長邦雄/豊島将之/谷川浩司/森内俊之/佐藤康光/深浦康市/渡辺明/藤井聡太

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Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃんこ面白かったです。自分は、将棋の事には全く詳しくないのですが、それでもめちゃんこ面白かった。やっぱ、鈴木忠平さんの文章が好き、というか、忠平さんの考え方が、世の中の見方が好きなんだろうなあ、ということをね、感じますね。

羽生善治、という将棋界の空前絶後の超スーパースターの存在を中心に、同時代に存在する他の棋士のかたがたが、羽生さんをどうとらえ、自分をどのように将棋界に位置づけようとするのか。という群像劇、でありますね。羽生さんが中心にいるのは間違いないのですが、その羽生さん自身には物事を語らせない。物事を語るのは、周りの人々。

という意味では、「嫌われた監督」と構成は同じだな、と。あの本でも、落合博満監督を物語のど真ん中に置きつつ、その落合監督の周囲の人々が、どのように感化されたか?を描いた物語だったと思いますので。忠平さんは、そういう物語の積み重ね方が好きなんだろうなあ、という気がします。

超スーパースターがおり、その存在を軸に、その周りの環境下におかれた人々は、何を考え、何をするのか?それを軸に、超スーパースターの存在を、間接的に描き出そうとする、試み。いわば「不在の在」を描こうとするやりかた、とでも言いますか。

小説で言いますと、朝井リョウ氏「桐島、部活やめるってよ」と同じ書き方、といいますか。でもゴメン。実は僕は、あの作品は、朝井氏の小説版よりも吉田大八監督の映画版の方が好きなんです、、、ばんばん閑話休題ですね。すみませんですね。

なにしろ、将棋に全く詳しくない自分が読んでも、物語の世界にグイグイと引き込まれる訳です。羽生善治、という存在の傑出っぷりに。そして、その周りの同世代の棋士たちの、その気持ちにグッとくるわけです。やっぱ、鈴木忠平という男の書く文章は、ハンパないな。人を惹きつけまくるな。ひとを、というか、僕を惹きつけまくるな、と。次回の作品も、ガッツリ楽しみにしております!

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

将棋は生身の人間が人生を賭けて勝負しているからこそ、様々なエピソードが生まれ、それらも含めて魅力的なコンテンツであり続けていると思った。

それぞれのエピソードは羽生さんとの対局を通じて、対戦相手側にスポットを当てた構成になっているが、どの棋士も将棋への向き合い方や背景にあるものが違っていて、面白く読めたし、純粋に将棋が強くなりたいという気持ちが強く感じられ、心を揺さぶられた。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

対局の様子を臨場感たっぷりに記述しており素晴らしい本だと思います。
難しいのかもしれませんが、私は羽生さんの内面が何より知りたいです。引退後までそのような本は出ないのかもしれませんね。
そういう意味で、少し期待とはズレていました。

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2025年10月16日

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