あらすじ
これからの消費を担う中心層として、Z世代に注目が集まっています。しかし、その下に育つ「α世代」が社会の中心となる日も遠くありません。
α世代とは、2010年~24年頃に生まれる世代。24年時点で14歳(中学2年生)以下の若年層を指します。本書はα世代の特性と、彼ら彼女らが社会の中心に躍り出る2030年の消費と社会像の在り方を考察する、国内初の本格的な書籍です。
冒頭では、成長年表や定量・定性インタビューを基にα世代の行動特性を探求。人口分布から見る市場規模や、α世代の消費観に影響を与える、彼ら彼女らの親世代の消費観にもスポットを当て、α世代の消費への意識を探ります。
また、Z世代との比較からは、α世代の価値観の新しさを見て取れます。例えば、Z世代はデジタルネーティブといわれますが、SNSやデジタルツールの発展過渡期に育っていることからその弊害も目の当たりにしており、デジタル技術への懐疑心も持ち合わせています。一方α世代は、生まれながらに学校や遊び環境にもデジタルデバイスが当たり前に浸透しており、ツールを駆使して生活を便利にすることに抵抗感がありません。AIネーティブでもある世代です。
異なる2つの世代が社会の中心的役割を担う2030年。企業やマーケターは両世代とどのように関係性を築き、社会を盛り上げていくべきか。本書はそのヒントを提供します。
著者の小々馬敦氏が2014年から行う、若者世代の価値観と消費行動に関する調査研究、インテージグループとの「ミレニアル世代・Z世代・α世代 3世代の比較研究」などの産学連携調査から、実際のデータに基づいた考察を行っていることも、本書の強みです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
消費行動や情報源などの世代間の比較が表にまとめられている。
本書によると、世代の価値観を左右するのは、主として10~18歳の周囲の影響だそうだ。その影響が成人以降に顕著に表れるという。この指摘が新鮮だったので★5にします。
Posted by ブクログ
世代研究はなんとなくそれっぽいことを言ってるだけであまり面白いと思ったことがなかったけど、ちゃんと納得感がある部分もあり読みやすかった
コミュニティや界隈マーケティングの話が個人的には面白かった
Posted by ブクログ
Z世代は課題を見つけることに敏感だが、解決する答えを導き出すことにはいまひとつ自信が持てない。
α世代は社会的に正しいとされていることが答えであって、答えを出すための話し合いに時間を使うのではなく、答えを実現するためにどういうアプローチが必要なのかを考えることに時間を使う「答えを早く知りたい」という感覚が強い。
それぞれの時代の生活環境の同質性が同じ時代に育つ世代の価値観と行動の同質性に影響与えている。人格とは心理面での特性のことで、人格の基礎部分は3歳から10歳の幼少期に形成される。青年期を迎える18歳以降に、その世代共通の行動特性が顕著になっていく。社会人になった後に、価値観や行動特性が大きく変わる事は無い。
データ流通量は増加し続けており、1ゼタバイト(1ZB)は世界中の砂浜の砂の数と言われているが、2020年の情報総量はその59倍になっている。
前の世代では、“意識が高い”とみなされていたことが、次の世代では常識になっていると言う事は、時代の流れにおいて不変です。
α世代はうらやましい、優れているなどと言う意識抜きに事実ベースでその人のことを話す。違うことが当たり前なので、基礎感覚がなくお互いに特徴として認識している感じ。
マーケティングの転換を洞察する鍵は人々がつながる様態(コミュニティーの形)と自分らしさの表現(アイデンティティーの実感)がどのように変容していきそうかを捉えることだ。
ファンコミュニティで囲い込むより、オープンチャットで「〇〇にオススメの△△」などのテーマを流すとチャット参加者から案が送られてくる。その案をマップなどにまとめて共有する。暇な時に教えてねくらいの呼びかけでルールを設けない。主導権を持ちすぎないというか自然発生的にやり取りが生まれたらいい。熱量が高い人もそうでない人にも参加者全員同じ温度感で接することで緩く参加できる場を作っている。
α世代の購買動機「ずっとときめいていた思い」「自分に合っているものが欲しい思い」「利他の思いが購買行動につながる」
EIEEBやEIEEM、AIDMA。メタ認知。セレンディピティ。
「界隈」コミュニティに求められる「居心地の良さ」とは
「自分らしさが尊重されると感じられること」「界隈の中の情報を信用できること」「ヒエラルキーがないこと」を満たすこと。