【感想・ネタバレ】娘が巣立つ朝のレビュー

あらすじ

どうしてなんだろう――
それでも人はつながろうとする

高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。
真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。
そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。
智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。

娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。
父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき……
つむがれていく家族の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

50代の親の気持ちで読みました。

娘の結婚、という急変した身辺はひとまず横に置いて、学生の頃から長い年月をともに過ごしてきた夫婦の様子がやけに胸に迫り、息苦しさをおぼえるほどでした。下り坂にある体の不調、自身の親のことなど老いへの不安・・・漠然としたものも含め気づくといつも曇り空の下にいるような自分にますます嫌気がさして・・・。

本を読みながら、そうか、こんな心持ちはわたしだけじゃないのだな、と思いつつ、彼らのストーリーを追う中で、それでも、次々とふりかかってくるものと対峙していくしかないのだな、と奮い立つ気持ちも抱きました。

もう取り返しがつかないと思われた亀裂からのラストの展開に、なんともいえない愛おしさを感じました。大人になって苦しむ娘に、自分ならどんな言葉をかけてやるのか、どんなふうに行動するのか、と問いかけながら一気に読みました。苦い部分はありながら、フレッシュな芽吹きも感じられるラストだと思います。

ところで。
表紙のイラストが、どうも・・・
読み終わってからあらためて見ると、まあ、これもアリなのか、と思わないでもないのですが、もっとふさわしい世界感があったのではと思ってしまいます。多くの人に手に取ってほしい本だと思うので、手元に置きたくなる装丁にかえてもらえたらいいなあ。帯の安っぽい文言もこの本にはマイナスな気がします。原田ひ香さんとか垣谷美雨さんの本などの読者をあわよくば、という意図でしょうか、、この本の魅力を軽んじている感がありざんねんに思います。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高梨家に長女・真奈の婚約者の渡辺優吾が結婚の挨拶に訪れます。幸せな結婚を予感するには、少し違和感のある高梨家での描写から物語はスタートします。実は優吾の両親はセレブなタレント一家で、渡辺家の親族と高梨家で結婚式の方針をめぐり意見が食い違いが生じます。さらに高梨家の内部でも夫婦の問題が。安らぎのある家庭を守ろうと必死な妻・優子と、家庭に息苦しさを感じ、外に楽しみを求める夫・健一。健一の浮気疑惑もあり高梨一家も崩壊寸前に追い込まれていきます。

優子・真奈・健一と高梨家それぞれの目線で物語は進みます。価値観の相違やコミュニケーション不足によるすれ違いなどに苦しみながら、真奈の幸せだけを願って行動する高梨夫婦。まさに「子は鎹」ということを感じます。結婚当初は幸せだった夫婦生活も、年月を重ねればお互いが空気のようになってしまいます。その一方で、真奈と優吾の結婚も、破天荒すぎる渡辺家の価値観を見る限り、「親と結婚する」かのような前途多難さを感じます。

中盤の両家の食事会のシーンや、「結婚式までのチェックリスト」を作成する健一の意外に頼もしい一面が描かれたのは良かったのです。しかし健一がギター演奏にのめりこみ、浮気疑惑に優子の心身が疲弊していく後半からの描写は冗長に感じました。しかし、結婚が破談になってしまう終盤は再び勢いが戻り、一気に読みました。結婚や家族の在り方を見つめ直す要素がふんだんに盛り込まれていて面白かったです。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

他人と家族になるということの難しさ、熟年夫婦のすれ違いなどとてもリアルに描写してあり、読んでいて、重苦しさを感じました。

読書に何を求めるかにもよりますが、私は、どうせ読むなら、明日も頑張ろうとか、人生捨てたもんじゃないとか、前向きになれる作品を読みたい派なので、その観点からはこの小説は好みではなかったです。

マルコさんの発言は、天然とかいう問題ではないし、それに対する真奈の発言は私は支持しますが、互いにそこまで言われて、今後、親戚として果たしてやっていけるのだろうかと、色々、考えさせられました。
相手を傷つける可能性のある不用意な発言には気をつけないといけないですね。

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2025年09月14日

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