あらすじ
半獣人のアランへの気持ちを自覚していく公爵家当主のミシェルは葛藤していた。
自分の思いを伝えた結果、アランが離れてしまうのではないか……、そう思うと自分の恋心を伝えることが怖かった。
しかし、勇気を振り絞り思いを伝えようとしたミシェルだったが、恐怖していたことが起きる。
――思い出せない
アランの名前が一瞬、思い出せなくなってしまったのだ。
今までは記憶を忘れることはミシェルにとっては当たり前で慣れたと思っていたのに。
大切で大好きな人を忘れてしまったことにミシェルは大きな不安に襲われる。
そして、アランには心に決めた人がいることを知り、ミシェルは逃げ出してしまい――。
記憶を失ってしまう恐怖を抱えた領主と、それを支える獣人の一途な愛の物語……。
【電子書籍限定 書き下ろし番外編収録!】
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
緻密な物語後半
壮大な物語の下巻です。表紙を見ただけでハピエンなのは一目瞭然なのですが、最終的にすべてのエピソードが集約し、見事なタペストリーが完成します。
上巻冒頭のエピソードはここに繋がるのか!という心地よいしてやられた感がたまりません。本当に良く練られた物語だと思います。
クライマックスの『ざまぁ』もお見事でした。ご都合主義と受け取られる方もいるかもしれませんが、無血独立という現実的には非常に困難なことを成し遂げられるのもファンタジー作品ならではの良さではないでしょうか。
楽しませていただきました。大満足です!