あらすじ
私たちの生活に身近なツボ・鍼灸・漢方薬。
近年、そのメカニズムの詳細が西洋医学的な研究でも明らかになってきています。
・手のツボが便秘改善に効くのはなぜ?
・「長寿遺伝子」と漢方薬との関わり
・漢方薬が腸内細菌の「エサ」になる?
・免疫システムを「発動」させる鍼灸
・脳の「ドーパミン報酬系」に作用する鍼灸の刺激
・ツボに特徴的な神経構造を発見! など
解明が進む「東洋医学」のメカニズム研究最前線!
まだ知らない「東洋医学」がここにある。
【目次】
第1章 鍼灸で「痛み」が和らぐのはなぜか
第2章 心とからだを整える鍼灸の最新科学
第3章 漢方薬は体内で「なに」をしているのか
第4章 「人に効く」を科学する
第5章 今すぐ実践! ツボのセルフケア
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Posted by ブクログ
西洋医学からの視点ということで前置きがあったが、ちゃんとした事実と
初見では分かり得ないレベルの体の働きが事細かに、研究者レベルまで紐解いてある本に感じた。
もう少し他で学んでから、また読み返したい。
また、プラセボ効果がなんとなく紹介されていたが、具体的に数値としてどれくらいの変化なのか知りたくなった。
簡単なツボや漢方の詳細は初心者でも見やすい。
うまくまとめられている本に思います。
Posted by ブクログ
病気とまではいかない、いわゆる未病の状態の対処療法、養生方法を知りたく、ここ数年、漢方、鍼灸を学び、東洋医学とは、気血水、五臓のバランスを重視するということに気付きました。
この本では、痛みの正体、それがどのように脳内を巡り、神経伝達物質に影響するか、自律神経や免疫と鍼灸との関係など、医学的に詳しく説明されていて、興味深く読めました。最古の冷凍ミイラ、アイスマンの入れ墨の位置とツボとの共通点、ファシアと経絡等々…大変面白く、東洋医学と西洋医学のどちらも人を幸せにする事に区別はないと感じさせられました。
実践的な漢方薬やツボも紹介されていて、役に立ちます。
Posted by ブクログ
元々、腰痛の時に、鍼治療をしてもらって、私にはとても合って状態が改善したので東洋医学自体には興味もあった。
ただ、鍼自体についていえば、すごく効く時と、そうでもない時があったりしたので、施術する人、その時の症状により効果は変わるのかなと思っていた。
本書を読んで、西洋医学的手法で東洋医学の有用性を検証するというのも興味深かったし、効果があると認められている部分もあれば、まだまだ解明されていない部分も多いことはわかった。
ただ細部については、何度か聞き直しても基本理系ではない私には、難しい部分も多かったが。
ツボなどの実践的な部分は、試して取り入れていこうかなと思っている。
Posted by ブクログ
とりあえず、東洋医学もかなりの部分、科学的に説明できるようになってきた、ということがわかった。
ただ、その詳細は…というと、頑張って読んだものの、専門的すぎて記憶に残っていない。
所詮、私のような一般人にとって、結局は「効けばよい」のである。たとえそれがプラセボ効果であったとしても。
プラセボ効果は、科学的研究という観点では排除すべきものなのだろうが、治療の観点ではむしろそれを促進させる方法を研究した方が有意義だと思うのだが。そういう科学的アプローチはないのだろうか?
Posted by ブクログ
ツボ・鍼灸・漢方薬について、どのようなメカニズムで効いているのか詳細に解説した一冊。第1,2章が鍼灸、第3章が漢方薬について記載なので、漢方薬よりも鍼灸に関する記述の方が多め。普段、漢方薬を服薬しているので、漢方薬についてもう少し詳しく書いてあれば尚良かったです。
第5章にあるセルフケアでできるツボ押しは利用したいと思います。
Posted by ブクログ
鍼灸や漢方薬がなぜ効くのか、(西洋医学をベースにした)最新の研究を元に紹介されています。
なんとなく東洋医学が胡散臭そうとか、逆に興味を持っているといった方にはおすすめの一冊です。
例に違わずブルーバックスなので割とがっつり骨太な解説されています。
最後についているツボ一覧はあとあと参考になりそうです。
万能ツボの百会、合谷、足三里の3つと、頭痛に天柱、冷えに三陰交、メンタルに内関、計6つくらいは覚えておきたいと思いました。
鍼灸の刺激は、末梢、脊髄、脳の3箇所に作用し、それぞれ別のメカニズムで痛みを鎮めるとのこと。
末梢では、1) 軸索反射によって炎症が起き、神経伝達物質が放出されて血流が良くなることで痛み物質が「洗い流される」、2) 刺激によって痛み部位に集まっていた好中球やリンパ球などの免疫細胞から内因性オピオイドという鎮痛物質が産生される、3) 鍼灸の刺激によってATPが細胞外に放出され、鎮痛作用のあるアデノシンが産生される、などの機構があります。
脊髄では、脊髄後角でのゲートコントロール理論、すなわち末梢からの痛み刺激を脳に伝えないようにするメカニズムがあります。
脳での作用は、下行性疼痛抑制系と呼ばれるもので、鍼灸の刺激が脳に到達すると、ノルアドレナリン系、セロトニン系の神経細胞が活性化されて、それが脊髄を通って下りていき、脊髄後角で脳への痛み信号をブロックする働きをするとのこと。
その他、痛み以外の、ストレスなどへの鍼灸刺激の作用も解説されています。
漢方薬は、気血水という3つのバランスを整えることが重要という東洋医学の考え方から始まり、漢方に含まれる様々な生薬のどんな成分がどういう働きをしているか、詳しく解説されています。
Posted by ブクログ
神仙思想のような幻想的な印象が捨てきれなかった鍼灸や漢方薬などの東洋医学へのアプローチの仕方が大きく変換したことがわかった。「理屈はわからないけど効く」の理屈の部分が、人体のどの部位のどのホルモンや神経組織にどう働いているから効くのかまでわかっている部分もある。なんだか、ここ数年で、陰謀論とか、オカルトとか言われて相手にされなかった部分が徐々にリアルな世界に姿を現してきているように思う。この調子で近いうちに夢のメカニズムとかあの世の仕組みとかもわかってしまいそうで、とてもわくわくする。
Posted by ブクログ
書店に並び出した頃から気になってはいたんだけど、以降、複数回の書評に触れ、最終的に読んでみることに。特性的に、今さらのエビデンス構築が難しいとされる分野で、特に最近、新しい知見が次々集積されているという。漢方薬よりさらに民間療法寄りに感じられる鍼灸につていも、かなり理論的に説明がなされていて興味深い。巻末のセルフツボケアは、機に応じて日常にも取り入れていきたいな、と。
Posted by ブクログ
本書は、東洋医学(鍼灸、漢方薬)がどう効果を発揮するのかを解説する。
著者のうち、山本さんはNHKの科学系番組をよく手掛けているディレクター。
そこに医師で補完代替医療にも詳しい大野さんが加わっている。
図も多く、伝える工夫はされている。
でも、高校程度の生物学の知識がない(私もその一人)と、少しつらい部分もある。
鍼灸の効果は、ツボへの刺激が末梢・脊髄・脳に作用し、組み合わされることで生み出されるのだとか。
それぞれのメカニズムが説明されている。
例えば、末梢では刺激が「軸索反射」による神経系の炎症を引き起こし、血流を増加させ、痛みのある部分に滞留していた痛み物質(ブラジキニン、プロスタグランジンなど)を除去していくとか。
あるいは、ツボは腱の近くにあることが多く、その刺激により、腱紡錘(張力センサーの役割があるとか)が活性化し、筋肉を緩めていくのだとか。
この辺りは、なんとなく「血行が良くなって痛みが和らぐ」という形で、どこかで聞いてきた話とも重なる。
脊髄後角での痛み物質の伝達をコントロールする、ゲートコントロール理論のあたりからは、自分にとって新しい話だった。
慢性痛ではここの神経回路が混線したり、異常な活性化が起きているが、鍼灸は内因性オピオイドを分泌させることができるようで、神経の働きを穏やかにできるらしい。
そして、驚いたのはその刺激は、ソフトなもので効果が出るということだった。
脳の働きでは、「下降性疼痛調整系」という痛みをコントロールする神経経路が取り上げられる。
ノルアドレナリンによる神経活動と、セロトニンによるものとがあるそうだが、いずれも脳への痛み信号を和らげることができるらしい。
鍼灸の刺激は、弱っている中脳中心灰白質(PAG、痛み情報の指令を受ける器官)の神経活動を活性化させて、鎮痛効果をもたらすのだそうだ。
ここらへんにくると、なかなか難しい。
後半は、漢方薬の効能や副作用が説明されていく。
一週間ほど前、風邪をひいて病院で漢方薬にするか、西洋薬のどちらにするかと聞かれた。
その時処方されたのが小青竜湯だった。
本書で、それがアレルギー症状の鎮静に効果があると知った。
「よく効きます」とは聞いていたが、実際本当によく聞いて驚いた。
漢方薬は体質改善しかできないと思っていたから。
まあ、考えてみれば、西洋薬にしても漢方にしても、植物などから成分を採っていたりするし、成分は煎じ詰めれば化学物質なのだけれど。
冒頭に出てくる話が面白い。
鍼、灸を中心に、東洋医学は欧米でも医療に取り入れる動きがあるという。
臨床的効果の検証も進んでいるが、中国、韓国、日本では方法や、漢方であれば製法なども異なっているため、再現性が担保しづらいという問題があるという。
巻末の方ではランダム化比較実験による検証がどれくらい進んでいるのかという話が紹介されている。
中医での検証はだいぶ進んでいるようだが、日本流の「Kampo=漢方」では、検証数も桁二つくらい少ないそうだ。
何か医学界の国際関係が垣間見えるような。
Posted by ブクログ
近年、東洋医学のメカニズムが、科学的に解明されるようになってきた。
なぜ効くのかが、わかりやすく解説されている。
漢方薬やツボなど、セルフケアにも役立つ情報満載。
Posted by ブクログ
この本に興味を持ったのは、自分が若い頃からの便秘症で排便が苦行、下剤を飲んでも苦行という悪循環から、漢方薬に救われたからだった。漢方薬のおかげで、(おそらく)人並みに楽な排便ができるようになり、なぜ漢方薬がベストなのか不思議に思っていた。
この本は、最近の研究から、神経ネットワークへの鍼灸の作用や漢方薬の成分の免疫への作用が解き明かされていて、興味深い。とはいえ、解説のレベルは、一般向けとは思えないほど詳しく、一度に覚えきれないほどの専門用語が続出し、何度も読み返さないと理解できない。
鍼灸師さんや薬剤師さんでも、ここまで詳しくないだろうと思えるレベルだ。むしろ鍼灸師さんや薬剤師さんが本書を読み込んだら、患者対応にむちゃくちゃ役立つだろう。
Posted by ブクログ
東洋医学はなぜ効くのか、
漢方(とても大きな意味での)について。 科学的な見地から効果を判定する。
PubMedの論文から、効果ありと報告を述べている。見解を述べている
現代の医学では、人間、人体の効果・反応は 解明出来ないものが多かった。
現在、医学技術の発達により、詳細な人体 構造が分かるようになってきた。 また、集めたデータを膨大なデータを解析する こともできるようになってきた。
古来、人類が経験的に、病を直してきた。 ことが、科学的に証明出来るようになってきた。
東洋のみならず、世界の別な地域でも 同様な治療が行なわれた形跡があるようで とても興味深い。
現在の日本の医療、健康保険を使った 医療でも、漢方(薬)が適応となる
実際の医療現場では、漢方に習熟した、 医療関係者は多くない。
東洋医学と聞くと、うたがわしいと感じる 人たちも存在するが、末解の部分が多いためであると考えている。 実際には、救われる者が多くいる。
本書が、そんな、、病をかかえる人、 医療関係者の理解を深よる一助となる ことを願っている。
自分でできることかあるか! ためしてみたいと思う。
世界三大伝統医療 結合医療
鍼灸「ツボ」「経絡」 「痛み」の正体
人体の回復力を引き出す 脳の神経伝達物質 免疫機能を調節する
漢方薬とはなにか 効くとは何か プラセボ効果
Posted by ブクログ
鍼灸はプラセボ効果も含まれている可能性があることを言っていたのが1番印象的だった。
ああやっぱりそうなんだって言う感じ。。自分でツボを押しても効いた試しがあまりないので、そういうことについては深く言及されていなくてちょっと物足りなかった。まあタイトルからして効いているという前提で話が進められているようなものだし…
科学的根拠の種類の説明も、自分にとっては有益な情報になった。
Posted by ブクログ
難しくて流し読み。
灸は敢えて傷付けて回復を高めるなど。なぜ効くかわからなかったものなどに対して、後付けで最近分かってきたことが肉付けされている。
巻末のツボ集が一番役立つかな。
Posted by ブクログ
所謂鍼灸とか漢方薬とか。
そもそも「効く」とは何か。
痛みを取ることが、効くことなのか。
うーん。
効く理由が解明されてきてるが、まだ判明していないこともあるが、WHOでも認められてきていてというくだり、ぼくは、胡散臭いとしか感じなかった。
WHOって、だってあれやん。
しかも、Chinaの影響バリバリでしょ。
そもそも経絡って何ってところもかなりあやふやで、ツボって何、痛点と同じだからなんなんだろう。
色々専門的な説明はある。
神経の働きとかなんとか。
でもそのへんて、「実は」「考えられる」「報告されている」とかなんつか、因果関係とかの説明ではなく、事象の解釈で世の中を振り回してきた色んなトンデモ本と同じ空気を感じてしまった。
信じると、見えないものが見えてくる。
別段「東洋医学」が誤っているとは思ってないし、先々、きちんと医学として検証されて活用されればいいと思っている。東洋医学が科学に基づかないわけでもあるまい。効果があるとすれば、そこは「物理化学」がきちんと作用しているはずだろう。
ただ、本としてはなあ、という感想。
やたら漢方薬を並べて具体的な効果を書き連ねているところなんか、本当にブルーバックスかよと思ってしまった。
Posted by ブクログ
かなり専門的な本当で医学的にメカニズムが解説されている。個別の漢方の効能やメカニズムも説明されていて専門性を伸ばしたい人向けの内容。
最後には頭痛、腰痛、肩こり、不眠など症状に合わせたツボの位置と押し方が書いてあるが、自分は実践しないかな。
Posted by ブクログ
鍼や漢方の威力は以前から体感していたが、その仕組みを理解するためにNHKの番組に加えて本書も読んでみた。結論としては専門的過ぎて一読しただけでは浅い理解も難しい印象。それは番組で、ということかな。でも東洋医学の効果が帰納的から演繹的に解明されつつあるのは嬉しいこと。
Posted by ブクログ
鍼灸や漢方を科学的に検証している。がん治療などでも、医療保険が効く漢方薬を推奨されることもあり、試験や論文などの情報ももとにしてある。
漢方や鍼灸を一歩踏み込んで知りたい人にはいいと思う。一方、気軽に読みたい人には、初心者向けの健康本を読んだ方がいいかもしれない。