【感想・ネタバレ】ゆうびんの父のレビュー

あらすじ

何も持っていなかったから、走り続けることができた。誰もが心通わせられる世にどうしてもしたかった――。歴史小説界のトップランナーが郵便制度を創設した前島密を鮮やかに描き切る感動長編!郵便制度の祖と呼ばれ、現在では一円切手の肖像にもなっている前島密。だが彼は士農工商の身分制度の影響が色濃く残る時代にあって、代々の幕臣でも薩長土肥の藩士出身でもなく農家の生まれだった。生後すぐに父を亡くし、後ろ盾が何もない。勉強を誰よりしても、旅をしていくら見聞を広めても、なかなか世に出ることができなかった。そんな苦悩を乗り越え、前島は道をどう切り開いたのか。そして、誰もが想いを届けられる仕組みをいかにしてつくったのか。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょいと読みづらい部分があったなぁ~越後高田郊外,母一人と暮らす上野房五郎は5歳で糸魚川で典医となっている叔父に無心の使いに出され,聡明さ故に相沢家の嗣子となった。漢方医の学びに飽き高田の儒者・倉石の塾にも飽き,江戸へ出る。儒学の戸沢,医者の上坂,旗本の添田と渡り歩き,叔父の死を知って相沢家の相続争いに勝って三百両で従兄弟に譲って江戸へ戻り,筆耕で糊口をしのいだ。ペリー来航に浦賀奉行の中間となって久里浜へ出掛け,長崎へは糸魚川から山陰を廻る。四国へ渡って和歌山から東海道で江戸へ戻る。旗本・設楽弾正・長尾全庵の知恵袋,次期船手頭と噂される江原に長崎の竹内を紹介される。江戸湾に来た観光に乗って船のしくみは解ったが碇を上げないため,函館行きを決意するが,函館の武田に懇願し昆布を積んで列島一周を達成。長崎で勝と知り合い,二度目の一周を成したが江戸へ戻り,外国奉行・野々山の対馬行きに随行,江戸に戻ると各藩から招聘され松江藩・福井藩の世話になる。オランダは駄目だと判断し,長崎で英語を学び何礼之の従者として洋行の予定だったが,蒸気船の故障で間に合わず,長崎で培社という私塾を経営するが,持ち出しが多く,薩摩に招かれて開成所の教授となったが,兄の死まで留め置かれた。江戸へ戻り目付の平岡から紹介され前島家の末期養子となり来輔と名乗り開成所翻訳筆記方,助教,数学教授,兵庫奉行所,大政奉還後は駿府藩の中泉奉行となったが,勝の誘いで新政府に出仕,民部省の改正掛,大隈の助言機関となった。鉄道の構想を短時日で描いて,好きな仕事を選べる立場となって,飛脚の近代化を図る道を選ぶ。大隈の尻拭いのため洋行している間に密の描いた郵便事業は走り出し,帰国後に各地の素封家を使って郵便局網を造り上げる~郵便の父と言ったら前島密だけど,来歴は知らなかった

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰もが見たことがあろう1円切手の前島密の物語。

幼少期から母の死までを描いていて、郵便の父になるまでの紆余曲折が面白すぎます。
これまで密が主人公のドラマや小説を知らないので、こんなに破天荒な人とは知りませんでした。
とにかく好奇心だけは旺盛で堪え性がなくいろんなことに手を出して物にはするものの、人生の目標となる軸が定まらない上に政局からは一歩引いた感じなので、生涯の仕事としての郵政に出会うまでが焦らされてしまいました。
一つのことを突き詰めるのも素晴らしい事ですが、とりあえずは与えられた仕事をちゃんとこなしつつ夢を探すのもいいかもしれませんね。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

越後の貧乏な母一人子一人で育った房五郎.元武士の出の母の教育もあって,志大きく育つ.十代の頃より家や藩などではなく日本の行末を見つめて旅をし主人を変え学ぶべきことは学び数々の失敗をしながら最後に郵便という花を咲かせた.
房五郎は前島密になるわけだが,養子にと求められたり,彼を助ける人が多くいたことを思うと,若い頃より才能と人間の魅力に溢れていたのだろう.また,郵便の成り立ちもよく分かり面白かった.

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2024年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なっかなか郵便事業の展開にたどり着かず、残りページは乏しくなってやきもき。蘭学医療だの海運だの興味はもつものの極めるに至らず。薩摩での英語教師をうまく投げ出し、勝麟太郎のすすめで新政府に出仕する。そこでも紆余曲折を経てようやく郵便に行き着く。なるほど「ゆうびん」とは同音異義語がなく、なじみやすい語だわ。〒マークも合わせて、明治初頭になかなかのセンス。前島密の旅先での経験を活かした発想の特定郵便局制度もそういうことだったのか。イギリスに学んだ切手やポストの仕組みもなるほど。物語の締めがなんで母の死なのかね。

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2024年08月17日

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