あらすじ
現代社会でかき消されがちな小さな声に耳を澄ませる――
なにかを美しいと感じると呼吸が深くなる――
深い感動を呼んだデビュー作『ここじゃない世界に行きたかった』から3年。
総フォロワー数15万人超のSNSで、ライフスタイルから社会に対する問題提起まで、独自の視点が人気を博す著者が贈る新世代エッセイ集!
不妊治療の日々、ポカリスエットの少女たち……大反響noteからよりすぐった珠玉のエッセイ――
・秋の夕暮れ、桔梗の花
・古く美しい暮らしは、なぜ消えた?
・弱った心にてきめんに効く、欲しかった言葉
・スープストックで休ませて
・“意識高い系”おんなともだち
・“Farsickness”それは遠い場所への憧れ
・誰もが静寂の奏者となるこの場所で……etc.
現代社会でかき消されがちな小さな声に耳を澄ませると、新しい景色が見えてくる。
日常が静かに輝き出す“読むセラピー”本がここに。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブックファースト新宿店開店16周年記念「名著百選2024」で、まなもんがお薦めしていた本です。
美術館で一人静かに絵画を鑑賞しているかのような感覚で読み終えたエッセイでした。
暮らしとArtの話、不妊治療の話、海外での生活、夫婦生活の話など日常の些細なことや、著者がどう感じてどうしていったのか丁寧かつ美しい日本語で描写されており、千早茜作品を読んでいる時のように読み終えました。
強烈に心に残ったのはp.139からの不妊治療の話です。
色んな意見があっていいし、何が正解ということもないけれど、妊婦さんへのリスペクトや気遣いってホントに必要なものだなぁと感じました。
あと、Artについての話も色々出てきますが個人的にはp.181の生真面目なビーバーの話がシンプルに面白くて好きでした。
素早く読み進めるのではなく、ゆっくりじっくり味わって欲しい本だと思いました。
レビューするには言語化が難しく、良さが全然伝わってないと思うけどとても良い本です。ぜひ読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
文化礼賛。美的感覚を主にし生きることの良さと難しさは痛いほどわかる。それを手放さなかった著者の日常に潜む美を見つけるセンスはもちろんのこと、あとがきのとおり登場する友人が多い。素敵な関係のさらに素敵な部分を読者に共有してもらい、芳醇な気持ちで読み終えた。
Posted by ブクログ
前作を読んだ時よりも、塩谷さんの言葉がスッと心に入ってくる、そんな感覚があった。柔らかい表現ながらも、より心が籠もっているというか、自然体に近づいたというか。(自然体を知らないからあくまでもそう感じたというだけなのだけど。
同世代の女性の言葉として、ただ共感するというよりはテーブルを挟んで会話をしているような、そんな読書体験だった。
Posted by ブクログ
小さな声に耳を澄ますと見落としていた真実が見えてくる。社会の喧騒に埋もれた声を丁寧に拾い上げ言葉にする大切さを教えてくれる。
大きな声が支配する世の中で静かな声に寄り添うことは容易ではない。しかしそこにこそ人の心の機微や痛みが隠れている。
文章に「書く」という行為はその繊細な響きに耳を傾け自らの心と向き合う作業だである。静かな声をすくい上げることで新たな気づきと優しさが生まれる。