あらすじ
おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ――
売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。
池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。
※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
ミステリー作家が描く長谷川平蔵の世界を短編にて描く至極の作品集。表題の作品は、驚くべき知らせが平蔵の元に届く事がら始まる。売り出し中の料理屋に、「自分は平蔵の母である」と名乗る老婆が現れ、そのまま倒れ伏した。平蔵は幼い頃に実母と生き別れており、その顔すら知らない。折しも料理屋には盗賊の「押し込み」の影が迫っていた。老婆は、生き別れた本物の母なのか、それとも盗賊が仕掛けた巧妙な罠なのか。平蔵が鋭い洞察力でその素性と事件の真相を暴いていくミステリー仕立ての物語。。。池波作品の人情を全面に押し出す作風に対し、徹底的に「謎解き」と「伏線」にこだわり、パズルのピースを埋めるような理知的な面白さを優先する点が特徴かな。一気読み間違いなしの外れなしの作品ですよ~