【感想・ネタバレ】真実の口のレビュー

あらすじ

夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に作品が選ばれる常連であり、野間児童文芸賞、ひろすけ童話賞、河合隼雄物語賞など児童文学の主要な賞を続々受賞した、いとうみくによる書きおろし最新作。

中3の冬、受験を控えた青山湊(あおやま・みなと)、七海未央(ななみ・みお)、周東律希(すとう・りつき)の三人は、
祠の前にしゃがんでいる小さな女の子を見つけた。雪はやんだようだが、気温は下がっている。何もしゃべらず、動こうとしない少女を放っておけば、凍死してしまうかもしれない。三人が下した判断は、この子を交番に連れて行くというものだった。それから四週間後、校長室に呼ばれた三人を迎えたのは、警察官たちだった。適切な判断と思いやりに感謝状が贈られたのだ――。
高校生になった年の夏、三人はファストフードで再会する。七海が「これ見て」と出したスマホの画面には、親による子どもの虐待事件のニュースが映し出された。もちろん、あのときの女の子とは別人のニュースだ。しかし、三人それぞれがあのときの女の子の様子に不審なものを感じていた。名前や住所を尋ねてもけっして口を開こうとしなかったこと、交番に連れて行こうとしたとき暴れて抵抗したこと……。「もしかして、わたしたちすごい誤解をしてたってことはないかな」。警察から感謝状を贈られた三人は、自分たちの行動が間違っていなかったかをたしかめるため、あのときの女の子を探し始める――。

児童文学界のトップランナーが、人の善意とは、正しい行いとは何なのかを模索する高校生たちを描き切る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

表彰までされた自分たちの行為に疑問を持ち、真実は何なのかを追求する3人の高校生たちの行動力がすばらしかったです。その先にある答えが、タイトルである「真実の口」に通じているところもなかなかでした。よかれと思ってやったことが実は相手を傷つけていたと知ったとき、正義が何なのかを追求できる人間でありたいと思います。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作中の高校生3人は、責任感をもって行動を起こした。素晴らしい勇気と正義感。

でも、この本を読む子どもたちには、君たちがここまで背負わなくてもいいんだよ、と伝えたい。
ちょっとでも「あれ?」って思ったことを、投げかけられる大人、近くにいるかな?親じゃなくても、先生じゃなくても、誰でもいいから。大人がすごいわけじゃないけど、大人にしかできないことも、実際にはある。困った時は頼ってほしい。

そして私も、頼ってもらえるような大人でありたいと思う。傲慢厳禁。

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2024年06月03日

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