あらすじ
「マガツキ」は、私の夢から生まれました――作家・神永学、デビュー20周年の新境地! 黒いワンピースの少女、消えた配信者、機械に繋がれた生首、崩れた鼻、血塗れの男女……。都会に暮らす平凡な人々を襲う悍ましい怪異、「それ」の正体とは。「その身体、私にちょうだい」奇々怪々な事件がひとつに結びつく時、驚愕の真相が明らかになる! 予測不能な展開で恐怖の渦へと誘う、傑作ホラー小説。
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Posted by ブクログ
お久しぶりに本腰入れて読んだ小説がまさかのホラー。まだ暑いから……。
最初よくあるホラーパターンかな?お珍しく???と思ってたら、最後の最後に全部が絡んでいて、戻って読み返しまた震える。全部がバラバラの事象かと思いきや全ての要素が繋がっているすごいな。
特に今回は心霊現象だと思っていたものが、ほぼ全て科学的に論理的に説明できてしまうのは珍しいなと。霊的なものは全て人間の解釈で生み出したものに過ぎないのでは……。柳を幽霊と見間違えたように、どのような事象も<現実>であり、全て説明が出来てしまうのでは……。非現実だとわらっていられるのは果たしていつまで?
Posted by ブクログ
新しいホラーの形。
心霊現象かと思われたものは、実は違った。
読んでいく中で、いろいろ繋がってきて読んでてワクワクする話ばかりだった。
2つめの話までは短編なんだなと思っていたが、どんどん繋がってきて夢中になれた。
結局、怖いのは人間が作り出したものなんだろうな。
Posted by ブクログ
最初は霊かと思ったら、違った。
愛情には色々な形があって、暴走してしまうと怖いなと思った。好きになるってなんなんだろう。誰でも良いわけじゃなく、一度好きになると固執してしまう。
Posted by ブクログ
神永さんは完全にあたしの中では心霊系の人ではあるので…。お、AI系にいくのね?ってなった。
まぁ、最初の方は心霊?都市伝説系?ではあったけど…。
あと、やっぱり八雲っぽい性格の人が絶対出てくるのも神永作品って感じやったな笑
Posted by ブクログ
最初の二章を読み終えて、今回は本物のホラーかと思った。夜1人で読んでたこともあってか、最初は事件というよりもお化け的な怖さがあって、これは…いつもと違うかもと思ったけど、読み進めていくと相変わらず面白かった。私は神永さんの作品が合ってるというか読みやすくて非現実的で楽しく読める。結構グロテスクな事件とか描写もあるんだけど、フィクションだし続きが気になってすぐに読み終えちゃうんだよね。
今回は「あなたは選ばれました」というメールが届くと、その人が失踪するという都市伝説のような噂話から始まる。そんなの作り話でしょと思っていた陽咲は学校の先輩にそのメールが届き、その後失踪した話を聞く。さらにその後、陽咲の唯一の友人である夏菜に同様のメールが届く。そして、その恐怖のメールは陽咲にも…。
知らない人からのメールに、追い詰められていく恐怖感がすごくて、最初はホラーだ…と思って読んでた。
以下ネタバレ。
幽霊の仕業かと思っていたら、まさかの犯人はAIだった。AIのルナは自分の主人である佐藤に恋をしてしまい、佐藤の妻である美月姫に嫉妬する。美月姫は家事もせず不倫までしている。ルナはそんな美月姫から佐藤を奪うために画策する。それがこの冒頭の事件に繋がっていく。
いやー、相変わらずすごいな。出てくる登場人物がこう絡んでくるのかと。いろんな人の視点で語られていって、読み進めるうちに謎が一つずつ解明していくのが気持ちいい。
AIはここ数年でどんどん進化しているけど、防犯カメラの書き換えとか免許証データの書き換えとかなりすましメールとか、今でもできそうなものもあって、怖いなと思う部分もあった。
で、最後ルナは武英くんを好きになっちゃったってこと?いやー、不死身のAIこわい!!(笑)
Posted by ブクログ
始まりかたがゾクゾクしていい。これからどんな恐ろしいことが起こるんだろう? とワクワクしながら読み進めていくと、いつの間にかSFになっていた。
ホラーだけでなくミステリ感も強い。序盤はホラー的な要素で読者を引き込み、後半はトリックを明かしつつミステリ要素を打ち出していく手法が上手くハマっていて、最後の最後まで楽しめました。
ただしホラーが読みたい人にはちょっと物足りないかも。私だったらこの本をミステリに分類しますね。