あらすじ
「手のひらを太陽に」の作詞者でもある戦中派の作者が,自身の風変わりなホップ・ステップ人生を語る.銀座モダンボーイの修業時代,焼け跡からの出発,長かった無名時代,そしてついに登場するアンパンマン――.手塚治虫,永六輔,いずみたく,宮城まり子ら多彩な人びととの交流を横糸に,味わい深い人生模様が織り上げられていく.図版多数収録.
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
いやー、思ったより、よかったです。
なんていうか、波乱万丈な方なんですね。
しかもまさかの、超遅咲き!
もちろん、なんだかんだ、ずっと才能はある意味では認められていたんでしょうが、なんというか、最初っからバリバリやってた人ではない。
そして、戦争を経験されている方だけに、やはり人生がなかなかに、もう、読むだけで重みがあるというか。何でもない1人生が、今の私らから見ると、なんか根底から違うというか。
そして、ずーっと、アンパンマンの歌が、重いなコラ、と思ってたけど(笑)、なんとなくその理由も分かったよ。ずっと、大人向けを描き続けてきた人で、その中でたまたまアンパンマンが生まれ、たまたま周りによって「子ども用」と認定されたんだね。
最後、死期を覚る感じも、なんだかとても興味深かったです。ホントのおじいさんおばあさんの感覚を活字で読むことって、実はあまりない気がします。
そして最後の衝撃は、高知のミュージアムが、公立だったことだ!
Posted by ブクログ
やなせさんの「正義」の定義がわかる本。
本物の正義とは、傷つく覚悟をした献身と愛。
捨身、献身の心なくしては正義は行えない。
正義とはかっこいいものではない、
そして必ず自分も傷つく。
そういう思いがあって
アンパンマンは生まれた。
正義は信じ難い。
「日本は負けた」その日から
好戦的な武闘派は影が薄くなり、
文化的な兵隊が脚光を浴びるようになる。
逆転しない正義は献身と愛。
アンパンマンの歌詞
何のために生まれて
何をして生きるのか
こたえられないなんて
そんなのはイヤだ
ものすごく深い歌詞であることに
改めて気づく。
信念とは、経験と考え抜いた先に形成されるものだと
わかった。