感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
むずおもしろい。
1章 人間の脳は力を使いこなせてない
★脳と体は表裏一体。使うことが大事。
→後天的盲目は、視覚野が退化する。逆に手術で視力を得た人は、視覚野が活性化する。
つまり、脳は進化し、使わなきゃ退化する。
2章 脳の解釈からは逃れられない
★意識の定義
→判断できる事。
つまり、脳の入力に対して、自分の意思を持って表現を選択できる事。
★自由意志と脳
→行動する際、意志より先に脳の運動野が活動を始める。
3章 人は曖昧な記憶しか持てない
→完全な記憶は、脳に混乱を起こす。
★記憶と学習スピード
→人は、情報を抽象化して他の事象と関連付ける事で、記憶に深く残す。
よって、学習スピードは無理してあげる必要は無い。
4章 人は進化のプロセスを進化させる
→生物は自然淘汰という進化プロセスを経てきた。しかし、人間は進化を止める代わりに、自然を開発して環境をつくりかえることを選んだ。
メモ
・創造的アイデアは基礎知識ありき。
前提知識がなければ、革新的アイデアを出すことは難しい。
・ど忘れは脳の揺らぎ。
脳の神経伝達の過程には揺らぎがある。
要するに、無意識下で情報を伝えたり伝えなかったりする。
ど忘れは、記憶の問題ではなく、脳の伝達ミスである可能性がある。
・曖昧な記憶である意義
完全な記憶は、脳に混乱を起こす。記憶を抽象化する事で、少しの違いがあろうと物体を判断できる。例えば、10年会ってない友達を本人だと特定できるのは、曖昧な特徴を抽象化したから。
☆脳の意思決定
→脳のニューロンはマイナス極。そこにプラスのイオンが介入する事で、スパイクが起きる。すると、シナプスから神経伝達物質が隣のニューロンに放たれる。これが脳の働きの構造である。
・デザイナーベイビー
体外受精で、良質な遺伝子のみを選りすぐる事ができる。人工的な進化プロセス。
・科学の限界
化学の基準は「再現性」しかし、科学を認識する人間とその脳は、日々変化するため再現性がない。よって科学は完全じゃない。
Posted by ブクログ
「心は脳から出来ているの?」誰もが疑問に思うような質問から脳の働きについて学んでいける1冊。
自分が意識している以上に、脳の影響を受けていることに驚いた。例えば、視覚。盲点は周りの映像に合うように脳が解釈して補完している。視覚の端には色を捉える視神経がないため、何色か見えないはずなのだが、脳が色をつけてくれている。意識は脳の解釈を想像以上に受けている。
Posted by ブクログ
•人が成長していくときに脳そのものよりも、脳が乗る体の構造とその周囲の環境が重要。
•上丘がないとスポーツは成立しない
•言葉は意識の典型。言葉は表現を選択でき、短期記憶もあり、可塑性がある。
•言葉を知ればその国や社会の構造体系を知れる。
•記憶が曖昧であることは応用できるから重要
•薬が科学に貢献してきた。
•人間は長生きしすぎて本来だったら発症しなくて済んだ病気になっている。
•脳は機能が局在化している。
•必要以上に脳は進化してしまった。体が脳を決めている。
•生きるための知恵として目の前にある多くの事象から隠れたルールを抽出するために、抽象的な思考は重要
•人の脳は柔軟性を生むために発達
•脳は体重の2%程度だが、全身で消費するエネルギーの20%も使っている
二章までは面白かった。視覚野のところとか特に面白かった!問題が発生した状態でどう見えるのか体験してみたい。シナプスの話は難しすぎて無理だった。文系脳には厳しい。ただインターネットと脳の違いは今までで1番納得した。
Posted by ブクログ
先に同著者の『単純な脳、複雑な「私」』を読み、面白かったので購入。
本作も(主観的に)新たな発見に満ちており、また門外漢にもわかりやすく説明してくれるので非常に楽しめた。ただ自分が化学をまじめに勉強してこなかったため、イオンの話が出てくるあたりについては難解に感じた。
以下は面白いなと思った内容のメモ。
・脳みその容量は賢さと必ずしも比例しない
・優秀な肉体がないと脳の機能を生かし切れないが、肉体は生存に必要な形にとどまるので余計な機能をつけてくれない
・世の中は三次元,網膜は二次元
・好きになるのは無意識なので、なんで好きかという意識的な理由づけはできない
・脳の扁桃体が恐怖を作る(ただし扁桃体で感情は生まれない。大脳皮質に送られて意識に怖いという感情が浮上する)
・恐怖がなくなる(扁桃体を失う)と恐怖の学習ができなくなる。本能がむき出しになる。
・人間、感情やクオリア(覚醒感覚。生々しい感覚。表現を選択できない)を前提に動いているわけではない