あらすじ
【内容紹介】
業績目標達成や部下育成に加えて、リモートワークでのマネジメント、ウェルビーイング、エンゲージメント向上等々……現代のマネジャーは、一昔前のマネジャーよりも対応すべきイシューが多く、かつてないほどに忙しい状況に追いやられています。そうした過酷な状態では、望ましいパフォーマンスを出すことも難しく、感情的になって、チームメンバーにつらく当たってしまったり、あるいは逆に、メンバーに遠慮して細かい仕事でさえ任せられず、自分で巻き取り続けてしまうといったことが起きるでしょう。どちらのケースの場合でも、大きな成果にはつながらず、ムードや関係性も悪くなるという負のループがチームの中で繰り返されます。
本書は、マネジャーの、自他への「観察力」を高めることで、この負のループを断ち切る方法を解説します。具体的には、マネジャーが、自律神経系の理論である「ポリヴェーガル理論」を知り、それを基に自分と他者の観察と調整ができるようになることで、精神的な余裕を取り戻し、どんなに疲れていても相手の状況を慮りながらも言うべきことを伝える対話ができたり、安心してチームで仕事を進める環境をつくり出すことが可能になります。
【目次】
第1章 なぜ「観察」が重要なのか?
マネジャーが置かれた環境と「観察」
第2章 何を、どうやって観察するのか?
自律神経の学説「ポリヴェーガル理論」と観察
第3章 赤のモード(闘う/逃げる)を観察する
赤のモード(闘う/逃げる)では、何が起こっているのか?
第4章 青のモード(固まる/動けなくなる)を観察する
青のモード(固まる/動けなくなる)では、何が起こっているのか?
第5章 緑のモード(安心する/つながる)を観察する
緑のモード(安心する/つながる)では、何が起こっているのか?
第6章 ブレンドされるモード
身体のモードはブレンドする
第7章 部下育成や対話への活用
第8章 観察力を高めるエクササイズ
観察力とマインドフルネス
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ポリヴェーガル理論を職場でどのように現場で活用していくか、具体例が紹介されていて、イメージしやすかったです。
赤(交感神経)、青(背側迷走神経複合体)、緑(腹側迷走神経複合体)の3色で色分けし、説明されているのがおもしろく、受け取りやすく感じました。
今の自分と相手の神経の状態に気づくこと。
その上でできること、役に立つ行動を選ぶこと。
この3色の知識を持つことで、対立から協働への道筋も立てやすくなるように思いました。
巻末のマインドフルネスに関する部分も参考になりました。
Posted by ブクログ
人の心身の状態を「赤のモード(闘う/逃げる)」「緑のモード(安心する/つながる)」「青のモード(固まる/動けなくなる)」の3種類に分類し、相手や自分が現在どのモードにあるのかを「観察」によって把握することで、マネージャーがチーム内の関係性を良好に保ち部下の育成にも役立てられる、という内容です。
他人の反応は、その人の人格によるものではなく、現在置かれているモードとそのモード特有の身体の反応によるものである、という説が新鮮でした。呼吸や心拍数など身体の状態に意識を向けてみるのも面白いかもしれません。
相手が反発したりネガティブな発言をしてきたとき、その人は何かを守りたかったりただ安心したいだけなんだ、と考えることによって自分自身も冷静さを取り戻し、建設的な対話に持っていけるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
・失敗の予兆が見えた時点で気軽な声掛けや助け合いが起こる
・反発、抑圧、受容
・困っている:助けてほしい、守りたい->闘う・逃げる
・同じ写真を見ても、人それぞれに受け取るイメージに違いがあるのは、過去の経験の影響をお受けているからです。
・予測のつきにくい現代の仕事では、悲観的にならずに進めることはとても重要なことです。
・今まで頑張った分だけ、休息や内省が必要になります。
・成果が出ていても観察をしてあげてください。周囲から孤立する前に対話を持ち、本人が自分の状態を客観的に観られるようにサポートしてください。
・ディビッド・コルブの経験学習サイクル
・何を守ろうとしたのか?何に困っていたのか?何に対して安心したかったのか?
・「自己観察ができている」ということは、私は「過剰さがわかる」ということだと思います。