あらすじ
出版不況と言われて久しいものの、「本」という形態のメディアは決して不要となったわけではない。しかし、ネット書店で本を取り寄せる習慣は私たちの生活に定着し、本を「買う」場所は激変した。商店街のちいさな書店はもはや当たり前の風景ではなくなっている。しかし、それでも新しい「本屋」を開く店主たちがいる。いま、なぜ本屋なのか――。北海道から九州まで。全国の気骨ある書店を訪ね歩いたノンフィクション。
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Posted by ブクログ
本屋への取材を通して見える、店主の思い、地域の本屋の有り難さ。
私にとって本屋は、子どもの頃は宝箱の中に入ったような夢のような空間。たくさんの物語や知識の詰まった箱。大人になった今も、そのワクワク感は消えないけれど、唯一残念なのは、金銭的なことを現実的に考えてしまう点。ほしいな、高いな、を繰り返す。そして悲しい気持ちになって帰る。
毎月いくら、と決めたらいいのかな。そしたら子どもの頃にお小遣いを握りしめて本屋に通ったあの日のように、ワクワクして本を選べるのだろうか。
Posted by ブクログ
何気なく手に取った本だったが、個人で書店を経営している方の生き方に尊敬の念を持った。
そして同じ志を持った人々はどこかで繋がるのだなと感じた。
今回は借りたものを拝読したが、手元に置いておきたいと感じる本だった。
Posted by ブクログ
読んでいる途中から本屋へ行きたくてウズウズしてきた。
昨年、贔屓にしていた本屋さんが閉店。
本書を読みながら、いろいろ思い出し寂しく感じた。
作中に登場する
佐藤友則さん、辻山良雄さん、島田潤一郎さんの著書も好んで読む。
SNSで流れてくる「走る本屋」の高木さん。
元気な姿に、勝手にホッとしたり。
三宅玲子さんの丁寧な取材に頭が下がる。
本屋さんが無くて困る地域ではないので
小さな本屋さんも大型書店も便利に使える。
新たな出会いを求めて開拓に出かけようか。
それは贅沢でありがたいことだと改めて思う。
Posted by ブクログ
全国11の気骨のある本屋を取材し、ストーリー仕立てで届けるノンフィクション。
本屋を取り巻く状況は、ますます厳しさを増している。我々はこのことをもっと真剣に考えるべきだ。
Posted by ブクログ
北海道から熊本まで、11の個人書店を取材したルポルタージュ。必要としている人に本を手渡す、使命感を感じた。本屋がなくて本にアクセスするのが難しい地域が意外とあることにびっくり。移動本屋の話は、江戸時代の貸本屋を思い出した(改めて調べてみると貸本屋システムすごい。本が借りられにきてくれるとか)。どんなに本離れが進んだと言われても、本屋が少なくなっても、本は人間に必要なものだと思う。
あとがきを読んだら、取り上げられていた定有堂が閉店していてショック…
本屋という空間で自分を癒す、っていう感覚はすごくわかる。なぜかはわからないけどたしかに、本屋っているだけで自分を取り戻せる感覚あるな。
ジュンク堂とか丸善とか三省堂とか、大型書店に行けばなんでもあるし、いくら見ていても飽きない。そう思っていたけど、大型書店では取り扱いのない本というのもあることを知った。そういう本を選書して、地域の人たちとそうした本の媒となる個人書店のあり方ってすてきだなと思う。
「どんな本を選び、取り揃えているかは、書店主の探ろうとしている人生の歩き方そのものだ。」
Posted by ブクログ
何冊か類似本を追っかけているけど
取り上げられている本屋が
不思議なくらい、ほぼかぶっていない。
この本は独立系の新刊書店中心の構成。
聞き手である著者の考えも
少し書かれている部分があり
そこの波長がわりと合ったので楽しかった。
静岡の高久書店の試みがちょっと温かい。
自分が購入した本を中高生に贈る
「ペイフォワード文庫」や
高齢者の客注配達本の集金を
図書カードの購入から差し引きする
プリペイドっぽい方法とか。
Posted by ブクログ
「本のある人生」と「本屋のある人生」は似ているけれど、ちがう。
書店が衰退しているというのは業界外でも不安視されているけれど、この本を読むと「書店をいとなむこと」と「文化を担うこと」が密接に関係していることがわかる。
本の流通の構造的な部分で、時代に合わせた柔軟な変化が求められるのはもちろんだが、文化を継承し、創り出していくということを自分事として考えなければいけないなぁと思う。
やっぱりこれからもずっと、「本屋のある人生」がいいなぁと思うから。