あらすじ
わたしたちが日々意識せずにおこなう「他者といる技法」。そのすばらしさや正しさだけでなく、苦しみや悪も含めて、できるかぎり透明に描くにはどうしたらよいか──。思いやりとかげぐち、親と子のコミュニケーション、「外国人」の語られ方、マナーを守ることといった様々な技法から浮かび上がるのは、〈承認と葛藤の体系としての社会〉と〈私〉との間の、複雑な相互関係だ。ときに危険で不気味な存在にもなる他者とともにいる、そうした社会と私自身を問いつづけるための、数々の道具を提供する書。
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Posted by ブクログ
1998年に発刊された本だが、今読んでも色褪せない。どの論考も示唆に富む。また、とても読みやすい。社会学者の引用はあるが。問題意識が身近だからだろう。また、その着地は想像を超えたところに行き着く。
改革者と被害・疎外者の社会学とは違う、社会の中にあって、社会の益と悪の相即を描く社会学。
1章。承認をめぐり、思いやりの体制が完成する。それは精神病とかげ口を内包することでより完璧に。
2章。「お母さんなんて嫌い」と娘がいう、すると母は答える、「お前はいい子だからほんとうはそんなこと思っていないってこと、お母さんは知ってるわ」というダブルバインドの罠、どちらにもいけなくなるように仕向ける支配構造に驚く。
3章。外国人。排除できない場合の差別という戦略。こちらに主導権ががある。
4章。リスペクタビリティ。子供の心に反した労働者階級のしつけ。子供の心を通した中間階級のしつけ。
5章。動機を持って行動するのではなく、動機は人々が人間を説明するために事後的に持ち出される説明原理。それも下世話な原理。
Posted by ブクログ
タイトルが気になって、ネットで注文。
届くのに時間がかかった。人気なのだろうか。
読むのに体力がいる本だった。
けれど、新しい視点がたくさん。
陰口が「思いやり体系」を壊さないためのものだったり、中間階級は大変だったり。
一貫したことを突きつめる内容ではなく、章ごとに別なテーマを取り扱っている。
でも結局は「わかることよりも、わからないまま一緒にいられる技法が大事」ということみたい。
Posted by ブクログ
興味があったのは二章と四章
他者との関係性において自身の理想が高すぎると自身・他者に求める規律が多すぎて、かえって自己破壊を招く。適度にほどほどに。
ゆとりと無視と気後れ、という心の佇まいは強く実感する。例えばそれはおしゃれな街の古着屋や雑貨店に入るとき、どうしょうもないほどに場違いな雰囲気、視線。空気にのみ込まれてろくに見たりせず店を出る。あの感覚。
そしてこれまでをふまえて、じゃあどないすりゃええんに対するアンサーが、最後の章で語られる。
一言で言えば、他者と私は別物だということを認識し、つまるところあなたとわたしは理解し合えないということを前提につきあっていくということになる。
その距離感でよいのです、とのことだそうですよ