あらすじ
わたしたちが日々意識せずにおこなう「他者といる技法」。そのすばらしさや正しさだけでなく、苦しみや悪も含めて、できるかぎり透明に描くにはどうしたらよいか──。思いやりとかげぐち、親と子のコミュニケーション、「外国人」の語られ方、マナーを守ることといった様々な技法から浮かび上がるのは、〈承認と葛藤の体系としての社会〉と〈私〉との間の、複雑な相互関係だ。ときに危険で不気味な存在にもなる他者とともにいる、そうした社会と私自身を問いつづけるための、数々の道具を提供する書。
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Posted by ブクログ
タイトルが気になって、ネットで注文。
届くのに時間がかかった。人気なのだろうか。
読むのに体力がいる本だった。
けれど、新しい視点がたくさん。
陰口が「思いやり体系」を壊さないためのものだったり、中間階級は大変だったり。
一貫したことを突きつめる内容ではなく、章ごとに別なテーマを取り扱っている。
でも結局は「わかることよりも、わからないまま一緒にいられる技法が大事」ということみたい。
Posted by ブクログ
興味があったのは二章と四章
他者との関係性において自身の理想が高すぎると自身・他者に求める規律が多すぎて、かえって自己破壊を招く。適度にほどほどに。
ゆとりと無視と気後れ、という心の佇まいは強く実感する。例えばそれはおしゃれな街の古着屋や雑貨店に入るとき、どうしょうもないほどに場違いな雰囲気、視線。空気にのみ込まれてろくに見たりせず店を出る。あの感覚。
そしてこれまでをふまえて、じゃあどないすりゃええんに対するアンサーが、最後の章で語られる。
一言で言えば、他者と私は別物だということを認識し、つまるところあなたとわたしは理解し合えないということを前提につきあっていくということになる。
その距離感でよいのです、とのことだそうですよ