あらすじ
コシノ三姉妹「お母ちゃん」の自叙伝――国際的なファッションデザイナーとして活躍を続けるコシノ三姉妹、ヒロコ、ジュンコ、ミチコを、女手ひとつで育て上げた母親は、自身も強烈な個性を持つデザイナーだった。戦前の洋服黎明期に洋裁と商いの修業をし、結婚後はときに子を顧みず仕事に没頭し、夫との死別後は道ならぬ愛を貫き、コシノ洋装店を繁盛させた。父親から受け継いだ自由な生きざまを、娘たちに背中で見せることで昇華させた、小篠家ゴッド・マザーの物語。
●女学校を中退して、パッチ屋で奉公
●父の差し金で修業先を転々
●独立して、百貨店や病院の制服を受注
●婿養子をもらうも、死別後は妻子もちと恋に
●三姉妹の養育は自由奔放に、ときには援助を
※本作品は2001年10月、小社より刊行された『やんちゃくれ――コシノのお母ちゃんと三姉妹の奮闘記』を、文庫収録にあたり改題、再編集したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
カーネーションの再放送もいよいよ終盤。初回放送ではアヤコと赤い糸を読んだので、今回はこちらを。ドラマのオリジナルエピソードかと思ったことが事実でビックリ。すごい女性です。母としての考え方には学ぶこともありました。
すごく読みやすく、面白く、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
20130331
ドラマも観ていたが、面白いっ!
強い女性だ。
親の背中をみて子は育つ、私の背中は生ぬるい。
いや、それ以前だな。。
かっこいい生き方だ。
Posted by ブクログ
父親とのエピソードのほうが、娘たちとのそれより数倍おもしろい。男兄弟がいなかったとはいえ、この時代に、父親にここまで期待させてしまう娘ってすごい。先に「カーネーション」を見ていたので、「へー、あのエピソードは実話だったんだ!」というふうに楽しめました。
Posted by ブクログ
昭和価値観という事を忘れずに読むとなかなか面白い。小篠家のお家事情を知る事ができ、前半は当時のど根性に元気を与えられて、後半は母親目線の戸惑いや喜びなどの感情を自分の母親と照らし合わせながら想像できた。
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朝ドラのカーネーションが大好きだったので
読んだ本。
事実は小説より奇なりとはよく言ったものだなあと思った。ドラマで面白かったところがノンフィクションだったことにびっくり。
綾子さんのだんじりのような勢いある人生
読んでいて勉強になった
Posted by ブクログ
面白く見ていた朝ドラ「カーネーション」が再放送されていたので。
コシノ三姉妹の母・小篠綾子さん自身が書いた本を読んでみました。
戦前の、まだみんなが洋服を着るのが当たり前ではなかった時代。
呉服屋の娘に生まれ、洋服作りを学んだというか、見よう見まねもありで修行し、工夫を重ねた綾子さん。
経緯はドラマのほうが詳しいので、それがどれぐらい事実に基づいているのかはわかりませんが。
厳しかった父親のユニークなしごき方。
「やりたいことをやるなら、それだけのことをしてから、やれ」と。
娘の才能と根性を見込んでいたのでしょうね。
綾子さんの子育ては意外と細かく指導したのではなくて、むしろ子育ては親や人任せ。
子どもが進路に迷っているときも、決断は本人に任せる。
自分が家族を背負って仕事をし、女性を美しくする服を夢中になって作り、楽しそうに販売する。
そのたくましい背中を見て、娘さんたちは成長したのでしょう。
夫亡き後の恋も、ドラマではこれ以上ないぐらい素敵に描かれていました。
現実はもっと思い切っていて。そりゃあ朝ドラでは描ききれないですね。
晩年になっても目を輝かせているお姿は、テレビで見た記憶があります。
70歳過ぎて、プレタポルテに進出したんですものね。
力強くきっぱりした文章に、さすがのパワフルさが感じられました。
Posted by ブクログ
NHK朝ドラ『カーネーション』のモデルになった小篠綾子さんの半世紀。ドラマではああいうふうに描かれていたけれど実際はこうだったのか、と興味深かった。戦争が終わるくらいまでは事実をわりと忠実に再現していたけれど、戦後は、綾子さんのえぐいところを上手に“いいひと、いい母親”につくりかえていたようだ。まぁ朝ドラだからね。綾子さんにしろ糸子さんにしろ、こういうひとは母親にも娘にも欲しくない。友だちにもいらない、振り回されて面倒だから。でもこのひとの人生は目が離せないので、近所のおばちゃんぐらいの立ち位置が丁度いい。履物屋のおばちゃんとして、彼女の人生に関わったら面白かっただろうな。(2018-04-21L)(2018-05-12L)
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コシノ三姉妹を育てたおっ母さん。
でもこの本に書かれてるのを読む限り、あんま育ててないっぽい。
自分の好きなことを精一杯やりとおした人。って感じ。
でも綾子さんが突き進めたのは、お父さんがいたから。
お父さんがすごい。
このお父さんがいなければ、デザイナー一家はなかったでしょう。
Posted by ブクログ
今BSプレミアムで再放送されている「カーネーション」にすっかりはまり、原作も読んでみたくなって古本で購入しました。
本人の自伝と言うことで、文章はあまり上手くはありませんが、エピソードだけでもすごい迫力。カーネーションのエピソードが、ほとんど実話に基づいていたのだと知って驚きました。いやー、本当にすごい人です。
力がもらえます。
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コシノ3姉妹の母、小篠綾子さんの自伝です。朝の連続テレビ小説『カーネーション』の原作です。テレビと違って、奈津も安岡家も木元家も北村さんも出てきません。
でも、ドラマの糸子さんより、本物の綾子さんはもっともっと自分の思いのままに自由放埓に生きてきた人だったこと。お父ちゃんはテレビよりずっとしっかりものだったこと。テレビでは周防さんとは別れますが、モデルになったTさんとは20年も同棲していたこと。Tさんとの同棲時代はかなり遊びまくっていたこと。なんていうのが分かって面白いです。やっぱり、ドラマになると不道徳な部分や過激と思われる部分はなくなっちゃうんですね。娘たちに買ったオルガンがその後どうなったかは、原作では面白い結果になりますよ。
『やんちゃくれ』を改題、再編集。
父と私、私と娘―コシノ家の生き様とは◆父と娘の二人三脚◆男と女―夫婦というもの◆別れと出会い◆恋という名のあだ花◆我が子との戦い◆私の道はまだ続く―三姉妹から四姉妹へ
著者:小篠綾子(1913-2006、加西市、ファッションデザイナー)
Posted by ブクログ
NHK連続テレビ小説「カーネーション」の主人公・小原糸子のモデルとなった、小篠綾子さんの自叙伝。私は読むのが遅い方ですが、「カーネーション」を見ていた人であれば、1〜2日もあれば読めます。
私は「カーネーション」を見ていたので、どうしてもドラマとの対比で見てしまうわけですが、ドラマの脚本をつとめた渡辺あやさんは見事に朝は流しにくいところをさらりとカットして構成したなぁと、この本を読んで実感。
大阪旅行の予習を兼ねて読みましたが、岸和田に行きたくなりました。
Posted by ブクログ
「小篠さん、電報!」
という声が柱時計の音とともに飛び込んで来ました。
それは父の危篤の知らせでした。父は列車の中で急に元気になり、一緒に行った人たちを驚かせていたのですが、調子に乗ってお酒を飲んでいるうちに急に倒れたらしいのです。
私はともかく、父と仲のよかったタバコ屋の大塚さんにそのことを知らせようと走って行きました。大塚さんの家は早朝にもかかわらず、玄関の戸が開いていました。
「おっちゃん、えらいことですねん。ちょっとこれ見て下さい」
と電報を見せようとすると、娘のみっちゃんが顔を出して、
「あっ、綾ちゃん。おっちゃん迎えにきたん。おっちゃんなら今帰らはったよ」
「何言うてるの。お父ちゃんは今危篤なんよ」
「そんなことあらへん」
と彼女は笑い出しました。
「その戸、開いていたやろ。うち、今、おっちゃんを送って行ったところやもん。おっちゃんな、朝一番の列車で温泉から戻ってきたところやなんて。綾子にこんな純毛ずくめの服着せられて、楽しかったと喜んではったわ。それに別れしなに、綾子を頼みまっさ、綾子を頼みまっさと何べんも言うてはった」
私は狐に包まれた思いで、国民服に酒の入った水筒を肩にかけた父が、 まだその辺りをうろうろしているような気がして探し回りましたが、出会うことはありませんでした。(160p)
朝ドラ「カーネーション」が終わってずいぶんとたった。原作本のこれは、実は二月には読み終わっていたのであるが、車の隅に隠れてしまってこれまで感想を書けないでいた。
読んで驚いた。
流石本人綾子さんが自ら「私を朝ドラのヒロインに」と、主張していただけはある。よくできているなあと思っていたエピソードのあれもこれも、実際にあった(或は本人が思っている)ことだったのである。一番ビックリしたのが冒頭に書き写したエピソードである。国民服もお酒の水筒も、父の幽霊も、ホントにあったのだ。と同時に、渡辺あやの見事な脚色にも唸った。
渡辺あやは微妙に原作の中味を変えている。綾子さんにとり、父親の存在がいかに大きかったか、というのは、大きく膨らませ、「Tさん」(周防さんのこと)との恋の部分は細かな設定を変えている。そもそも原作は関西弁を喋っている。私が「TVドラマ向きだ」と想像していた三女ミチコがロンドンに行ったときのエピソードはバッサリ省かれてしまった。後に綾子さんがロンドンへ十七個もの荷物を持って励ましに行ったときに、本当はミチコは気持が潰れかけていたが、素知らぬ顔で帰国したという。「このときの経験があったから頑張れた」とのちにミチコは語っている。
父親に顔を殴られて「これが男の力だ」と言われたのは、実際にあったが、散髪屋のおばちゃんから「今の勘助にあんたの図太さは毒や」と云われたエピソードは、その息子のことを含めて脚本家の創作だった。Tさんをめぐる家族会議でヒロコがハッキリ「お母ちゃんは悪くない」と味方したのは事実だけど、北村は創作上の人物。
女だけれども、女しか出来ない「だんじり」を担ぎ、一家の大黒柱として生き、親の背中を見て子は育つを実践し、岸和田でいい女振りで生き抜いた一生は、この本からも十分伝わって来ました。
Posted by ブクログ
毎朝これを楽しみに起きていた、NHK朝の連続テレビ小説の「カーネーション」。
内容から、ほぼこちらが原作と言ってよいと思います。
テレビでは、NHKの朝の番組としては、不倫の関係をつまびらかにできなかったのか、周防さんと北村さんという男性が、なんとなくそれを表現している感じでしたが、原作を読んで納得。
これを読むと、テレビでの表現はよく頑張ったと思う。
テレビはディーテールを楽しめましたが、本は小篠綾子という女性の生き方、考え方の本質を感じることが出来ました。
Posted by ブクログ
カーネーションにはまって、読んでみた。
カーネーションの印象がものすごくあるところから読んだので、あ、ここはドラマと違うんだなとか、そういう見方になってしまって本単品の評価はできないけど、ドラマを先に見ていたからこそお父ちゃんとのやりとりの部分とかはその映像が思い浮かんで、ついのめりこんで読んでしまった。
ドラマを見ていても思うことだけど、本を読んで改めて感じたのは、自分の人生に対する自分の責任っていうものがあって、それは子供とか大人とかは関係なくて多分人としてみんながそれを負っているんだなということ。
だから「やりたいことを決めるのは親じゃなくて自分自身」とか、「決めたんやったらやりきり」とか、そういうところがすごく響いた。で、始終そういう考えで一貫されているところが気持ちよく感じた。
ドラマの中で一番響いてるのは、優子が進路に悩んでるときに糸子が「自分で考え」って突き放すところ。ドラマはドラマ、この本はこの本で状況とかは若干違ってたけど、本の中にもやっぱりこの考えが根本にある感じがして、よかった。
またドラマを改めて一から見たくなりました。
ちなみにドラマはフィクションになってたからまだ見やすくなっていたけど、実際は結構ドロドロな感じなこともあったんですね…。
Posted by ブクログ
朝ドラ「カーネーション」に興味を持ち、本書を手に取りました。
その人生は本当に波乱万丈というか、あの厳しい状況下でよくぞ
自分の意思を曲げることなく、思う通りの道を突き進めたものだと
感心しました。
肝っ玉かあちゃんという言葉が正にピッタリの人でした。
Posted by ブクログ
ご存知、コシノ三姉妹のお母さん、綾子さんの自叙伝。朝ドラ『カーネーション』の他、今年公開された大地真央さん主演の映画も見たから、あれこれ思い出しながら読んだ。やっぱり、キャスティングは朝ドラが優勢になってしまったけど。
朝ドラは再放送も何度も見た。映画見て「これも実話だったの?」と驚くことも多かったけど、本当にまさかというエピソードが、ほとんど実話によるものだった。ドラマではそれを組み合わせて上手くストーリーの流れを作ってあったので、未だに名作を言われるだけのことはある。とは言え、ドラマにはオリジナルの登場人物も多かったから、あれはあれでちゃんと区別はしてるつもり。
映画ではある程度詳しく描かれてたけど、不倫相手との話にやっぱり驚く。結局、結婚することなく、20年も続いたと言うのだから。
(ふと思い出したのが、こないだ読んだ『汝、星の如く』。あの作品の中の、瞳子さんではないか⁈)
もしかして、朝ドラにするに当たって、一番ハードルになったのが、この話だったんじゃないだろうか?そこをロマンチックな山場にして一度区切りをつけ、その後については娘たちの話をメインにしたんだろうな?ついでに言うと、実際のこの男性の役割を、ドラマの中では北村のおっちゃんにも分散させてたんじゃないかな、最初の寄り合いの場面と結びつけて…。ちなみにホントにその時までお酒を飲んだことがなく、記憶をなくして家に戻られてたと言うのも、実話だったという…。
自叙伝(の文庫化)なので、娘たちが成功したあたりまで。にしても、本当に波瀾万丈の逞しい女性の一代記。ドラマ(もしくは)映画を見た人も見てない人も、楽しく読める一冊だと思う。
Posted by ブクログ
BBMでのオススメ本。男尊女卑当たり前だった戦前での女性の活躍。書かれてることでも十分ハードやけど、きっと文字には表しきれないくらい色んな苦労があったんやろなぁ。
でもま結局いつの時代も突き抜けてる人は強い。普通に面白い読み物でした。
Posted by ブクログ
カーネーションが面白すぎて買ってみた。戦後を生き抜いた世代の人はパワフルだが、その一つ上の世代の人は本当に苦難だらけの人生だった気がする。「4姉妹」を支えていた周りの人はえらいなあと思っていつもドラマを見ているのですが、その辺がこの本にはどう出てくるのか。。
Posted by ブクログ
「カーネーション」にはまり、気になって読み始めた小篠綾子の自伝。
裁縫に出会い、ミシンに出会い、洋服づくりへと一直線に突き進んでいく姿はドラマ同様に痛快。そして、再確認したのは父の娘への、愛情ゆえの厳しさ。まるで、女版「巨人の星」のようだ。
父は、「薄情も情のうち」と言っていたそうだが、それも
大きな愛あっての薄情。子どもの可能性を信じる、子ども自身の力を引き出すためにも、こんな大きな愛で子どもを育てていかなくてはいけないと思った。