【感想・ネタバレ】夜よりほかに聴くものもなし 山田風太郎ベストコレクションのレビュー

あらすじ

東京で五十過ぎまで刑事生活一筋に生きてきた八坂は、ある日、車が母子を轢いた現場に遭遇する。居合わせた男の証言によって過失の事故と判明し、運転していた御曹司は無罪に近い判決を受けた。2年後、八坂は証言者が御曹司の運転手として働いているのを知る。その哀しき理由とは……。(「第一話 証言」)同情すべき事情、共感できる動機。犯罪者それぞれの背景に心揺れる八坂。だが、それでも……。哀愁漂う連作刑事ミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

山田風太郎らしい荒唐無稽さが全く見られない、木枯らしのような作品だった。主人公の八坂刑事が遭遇するやりきれない事件の数々を描いたオムニバス小説。山田作品はたくさん読んできたが、この老齢刑事のように、世の中の不条理に対する無力さを山田風太郎が感じている(描ける)ことに驚きだった。
個人的には、哀しい復讐劇の「証言」が印象に残った。

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2025年06月30日

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