あらすじ
一九七二年,茨城県東海村から忽然と消えた男.捜査に訪れた刑事は「北に持っていかれたな」と言った.男は日本の原子力開発の拠点,動燃のプルトニウム製造係長だった.四〇年後,突如警察の北朝鮮拉致関係リストにその名が載る.謎に包まれた失踪の経緯,不可解な捜査過程,核科学者はどこに消えたのか?
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Posted by ブクログ
現在の総理が拉致問題について踏み込んだ発言が有ったのは、この本が影響しているのかと思いました。
しかし、現政権はそれどころじゃないので、また先延ばしかな。
Posted by ブクログ
さっそくネタバレです。
何ひとつ解決しません。でもそれは、ジャーナリストとしての調査力不足ではなく、警察のやる気のなさが問題である事が理由となります。警察がまともに捜査をして、都合の悪い真実を掴んだために、何かが隠蔽されているのだとしたら、ジャーナリストはそれを暴くことが仕事になります。
しかし、警察の怠慢に気付いても、捜査がなされていないだけで、事件はまったく進展しません。日本政府のやるやる詐欺に現場はまったく呼応しません。拉致事件に手をつけなかった警察の失態を、日本政府が声だけ出して庇っている実態が分かります。
拉致事件を終わったことにしたいのは、北朝鮮も日本も同じなんだと思い知らされます。
Posted by ブクログ
昭和47年動燃のプルトニウム係長が茨城県東海村から失踪する。政府の認定を受けていない拉致の可能性のある多くの人。進まぬ警察捜査への疑問。日本原発政策や動燃の組織的な隠蔽体質にも触れつつ、封印された拉致疑惑を追求するノンフィクション。
Posted by ブクログ
横田めぐみさんを始め、北朝鮮拉致被害者の問題についてはたくさんの本を読んできた。
発表されている情報ではわからないことが多く、何十年もの間一向に進展しない。この問題について、いろいろな情報の中でどうしてこんな事件が起きるのか?どうして解決への道が進まないのか様々な疑問を抱えたまま未解決のまま進むのかもしれないと思ったりしている。
本書は北朝鮮の核開発と同年のエリート核科学者の拉致問題と結びつけ、様々な取材の中で知らないことをたくさん教えてくれた。
以前から気になっている、なぜ中学生の横田恵さんが拉致されたのか?もちろん答えはわからないが、いろいろな可能性があると考えさせられた。