【感想・ネタバレ】平安のステキな!女性作家たちのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

これも一気読み。本当は一緒に購入した『平安男子の元気な生活』の方が先行みたいだけど、明日の『光る君へ』に清少納言の有名なシーン(香炉峰の雪)が出るらしいので、こちらを先に読まずにはいられなかった。
『平安女子…』と同様の超現代的表現による、川村先生の語り口は、本当に軽快!逆に、こういう表現に慣れてな...続きを読むい方々にはちょっと眉を顰められるくらい⁇昔「桃尻版 枕草子」が当時の若者であったはずの自分にはちょっと苦手だったので、今の若い人でも苦手な人はいるかもね。
道綱母と清少納言のあたりで、一瞬、大石静さんもこの本読んでないか…と思ってしまったけど、発行がかなり最近なのでそれはないかな? ただ、参考文献に上げられてる物のどれかは読んでおられたりするかもしれない。
大河によるブーム、言葉の鮮度という点からも、今、まさに若い人に読んでほしい1冊。あ、そのノリについていける大人も。
ちなみに「大人になったら読んでくださいね」という読書案内(?)が何ヶ所かあり、「これはもう、しっかり大人な自分は早いとこ読まなきゃいけないな」と思った次第。

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Posted by ブクログ 2024年03月25日

藤原道綱母、清少納言、紫式部、和泉式部、菅原孝標女のことが書いてありました。有名すぎる清少納言や紫式部のことは多少知ってますが、他のお三方の書いたものについてはよく知らなかったので、興味深く読みました。

この五人は、書いたものの形式や内容がそれぞれに異なっています。エッセイ、小説、自伝的な日記(主...続きを読む婦の日常、大恋愛の回想や歌、旅)など。セレブ婚だった道綱母、略奪愛の和泉式部の日記を書いた動機などはなるほど~と思いました。
特に、道綱母の日記は、セレブ婚してても、一夫多妻のなかで生きる女性の焼きもちや焦り・不安なんかが書かれているらしい。で、これが紫式部の心理描写に影響を与えているって話も興味深い。日記を書いた動機が、作り事やうそではなくて本当のことを書く!そして自分の気持ちまでも正直に書いた。で、回し読みされる(回し読みに出す?)。ふつうは恥ずかしいと思うんだけど、よほど怒りのエネルギーがあったのかなとも思ってしまいます。「聞いて、こんなことがあったんだから!信じられない、私の気持ち分かるでしょ!」みたいな感じ?だって、当時の女性は顔もろくろく人に見せないですよね。源氏物語でも女君たちですら几帳を隔てて会話してる(高貴な人だからかな)。なのに、心のうちを暴露するなんて凄いのでは?そして、それが源氏物語に繋がるんだから、またまた凄い。

形式も内容もさることながら、だれもかれもタイプの違う作家が並んでいて、きっとこの中の誰か一人は読んでみたくなります。

私は孝標女の更級日記を読んでみたくなりました。すごく身近に感じるし、書かれたものは量的には短いらしい。なのに、孝標女の人生がぎゅっと詰まっているらしい。長いのを読むのが苦手な私にぴったりかも。

読みたい古典が増えて嬉しいです。



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Posted by ブクログ 2024年02月03日

平安時代の女性作家たちの人生や暮らしをざっくりとさらえた。やさしい言葉で書かれているので、わかりやすかった。語り口はポップ。
たくさん入ってるイラストが綺麗でわかりやすくていい…早川圭子さん(日本画家)の絵だそう。

コラム(特に、歌集のいろいろ がありがたかった!)や写真、たくさんあげられてる参考...続きを読む文献等、入門書に適してるなと思った◎

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

道綱母、清少納言、紫式部、和泉式部、孝標女の経歴と作品が、「川村節」で紹介されていく。
既刊の「平安女子の楽しい!生活」などの路線で、親しみやすく、読みやすい。

『蜻蛉日記』について、「ネガティブモード」で貫徹したすごさを指摘していた。
また、『更級日記』に出てくる宮仕えへの夢を、物語への夢、物語...続きを読む作家としての自己アピールとして読み解いた。
この辺りは、そういう見方をこれまでしたことがなかったので、新鮮だった。
川村さんの説なのかもしれない。

よく取り上げられる作者たちだけれど、こんな話があったんだ、という発見もあった。
まず道綱母(本文では「道綱ママ」)。
養女を時姫所産の詮子とともに裳着させたという話は、今まで読み飛ばしていたところ。

孝標女(本文中では「さらちゃん」)は、道綱母との親戚関係についてはよく話に聞いたことだったが、ここでは定子とのつながりが掘り起こされていた。
少女時代の孝標女(本文では「さらちゃん」)に親戚の命婦の衛門が贈ってくれた物語が、脩子内親王のお下がり品だったこと、そして彼女が後に仕える祐子内親王は、一条天皇と定子のひ孫。
狭い貴族社会なんだから、同時代に生きていた人の間には何かしらのつながりはあるでしょうよ、と思う自分もいるけれど、やっぱりこういう話を聞くと、おっ、と思ってしまう。

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