あらすじ
二度の本屋大賞受賞、BL作品の世界的大ヒットを成した人気作家が語る、小説への思いとは?
執筆のきっかけをくれたミュージシャン、BLジャンルの大先輩、ともに業界を駆け抜ける戦友、そして今は亡き最愛の作家――。
対談やコミカライズ、全作品インタビューを1冊にまとめた、凪良ゆうを深く知るための必読書!
ここでしか読めない『滅びの前のシャングリラ』スピンオフ小説「ニューワールド」を特別収録。
【対談】
橋本絵莉子(ミュージシャン)
芦沢央(作家)
ヤマシタトモコ(漫画家)
町田そのこ(作家)
榎田ユウリ(作家)
山本文緒(作家)
【インタビュー】
デビュー15年、全作品を振り返る
【座談会】
凪良ゆう担当編集者座談会
【コミカライズ】
浅野いにお『滅びの前のシャングリラ』
【掌編小説】
「ニューワールド」
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
凪良ゆうさんが今まで行ってきた対談やインタビュー、出版社の垣根を越えた担当編集者の座談会、そして『滅びの前のシャングリラ』の漫画家・浅野いにおによるコミカライズ(期待して読み始めたらたった4頁でしたが…)とスピンオフとなる掌編小説、などなどを一冊にまとめたものです。
【対談】は以下の6人です。
●橋本絵莉子さん(ミュージシャン)
元・チャットモンチーのボーカルを担当、現在はソロ活動中。凪良さんが『滅びの前のシャングリラ』を執筆する上で、チャットモンチーの楽曲『シャングリラ』にインスピレーションを受けたとのこと。
●芦沢央さん(作家)
代表作に『夜の道標』『許されようとは思いません』『汚れた手をそこで拭かない』など。私は未読の作家さんなので、凪良さんが好きだと語っていた『僕の神様』『カインは言わなかった』あたりを読んでみたいですね。
●ヤマシタトモコさん(漫画家)
凪良さんがBL作家としてデビューした同じ年にヤマシタさんもBLコミックスデビューをした、言わば同期。代表作の『違国日記』は実写映画化の予定。
凪良さんが小説を書くうえで一貫している「個人と個人は違うということを認め合ったうえで、分かり合えないことを分かったうえで、でも分かり合うための努力をしよう」というスタンス(69頁)はヤマシタさんの作品にも通じるものがあって、私は凪良さんの作品のそういう部分がとても好きで、なんだか納得しちゃいました。
●町田そのこさん(作家)
私の大好きな町田さんと凪良さんの対談だなんて最高です。そもそも町田さんの『52ヘルツのクジラたち』の帯に凪良さんがコメントを寄せていたのをきっかけに凪良さんの『流浪の月』を読みました。これからもお二人を「推し」ていきます。
●榎田ユウリさん(作家)
BL作品では榎田尤利、非BL作品では榎田ユウリと名義を変えて書かれている、凪良さんにとっては大先輩。残念ながら存じ上げず、すみません。お二人ともBLというジャンルについて熱く語っておられました。あぁ…積みっぱなしの凪良さんのBL作品『美しい彼』も読まなくちゃ。
●山本文緒さん(作家)
凪良さん憧れの作家さん。私は『自転しながら公転する』しか読んでなかったんですが、凪良さんが大好きだという『恋愛中毒』読みたくなりました。この対談の最後に山本さんから凪良さんへ「恋愛小説のバトン、託しますね」との言葉が…。山本さんはこの対談の数ヶ月後に膵臓癌のため亡くなられました。
【掌編小説】
『滅びの前のシャングリラ』のスピンオフとなる掌編小説「ニューワールド」は、17歳の友樹の視点から語られる、世界が滅ぶ最期の瞬間…救いようのないラストに友樹が光をくれました。すごくよかったです。改めて『滅びの前の〜』を再読したくなりました。
この本を読んだことで、「あぁ、やっぱり凪良ゆうさん大好きだなぁ」と改めて実感しました。