あらすじ
大政奉還がなされず、2020年代まで徳川幕府が続く日本は、征夷大将軍を元首とする立憲君主制の国家となっていた。ある日、さむらいの矜持をもつ素浪人の刑事・桑名十四郎の眼前で、旧知の情報屋ホセが射殺される。背後には、幕府存続に関わる警察上層部の謀略が。
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Posted by ブクログ
明治維新果たせず、征夷大将軍の下、刑事は腰に帯刀していた。
もうこの設定、それだけで勝利と思って、ワクワクして手に取った。
が、がっかり感。
設定はその通り。多分、物語のプロットと展開は、時代劇と考えれば然程特筆するものでもない。
要は設定を除けば、どうと言うこともない。
しかし、その、なぜ明治維新がならず幕府が継続していて、どんな社会になっているかの設定が、ドン引き。
軽く触れているだけならいいのだけど、しっかり章を割いて書いており、しかも物語が成り立つに必要なものとなっていて。
日本下げ。
歴史や社会への洞察が浅い、高校の文芸部レベルかと思うが、まあ、フィクションだしまなじり上げることもないのだろうが、そこに力入れて書いてるところが、気持ち悪く感じた。
必要があってやってるより、本気が滲み出る。
韓国アゲ。ファンタジーだからいいんだけど。
それで、維新がなく間違った方へ行ったという設定かと思えば、現代日本まで嘲笑う謎の展開を見せる。
天皇を中心として紡がれてきた日本の歴史も足蹴にして。
まさかと思うが、センスのいい風刺のつもり?
登場人物の深みもない。
結局、愚かな世界で愚かに振る舞う登場人物の全てに、何の共感もできないのではないか。どう言うつもりで書かれた作品なのか、分からなくなった。
こう言うのが喜ばれるものなのか?
それでも、最後まで作品としては読めたので、星三つ。